5億売り上げた歌舞伎町No.1ホストが語る「人に嫌われない」技術
嫌われないを支える洞察力と合理的思考
──億を稼ぐホストになるには、どのような資質やスキルが必要なのでしょうか。
降矢:ホストは接客業である以上、お客様のニーズを見抜く鋭い洞察力は欠かせません。僕がこの力を鍛えることができたのには「人に嫌われたくない」という性格が大きく関わっています。
──と、言いますと。
降矢:母親は、父親の僕へのDVを理由に離婚。僕が小学3年生まではシングルマザーとして育ててくれました。保育園のあとの僕の遊び場は、母親が働くお店の待機部屋です。嫌われたら生きていけないから「どうしたらお菓子を買ってもらえるか」と、常に大人の顔色を窺う日々でした。あとは、薬漬けのボスから学んだ「超合理的な思考」は絶対に外せないですね。
──そのボスは、薬のやりすぎで超覚醒していたんですか?
降矢:かもしれません(笑)。中学卒業後、建設会社を転々とし、最後に面倒を見てもらった会社の社長が、ボスその人です。日常的に覚せい剤のやりすぎでぶっ飛んでいたのですが、現場仕事に関しては、一切の無駄を嫌う超合理主義者。少しでも無駄があると、ナットやボルトが飛んでくる。ずいぶんしごかれたけど、最短でタスクを達成する合理的思考が染みついたのは、薬漬けのボスのおかげですね。
誰もいない深夜に出勤して、すべて一人でお店の掃除をしていた
──降矢さんは26歳でホストになっています。ホストとして高齢の部類だと思いますが、先輩や年下上司から目をかけてもらうために何をされましたか?
降矢:売り上げのない下っ端ホストの仕事に、シャンパンコールや雑務全般があります。僕は何種類もあったコールは1週間ですべて覚えたし、特に徹底したのがお店の掃除です。当時、日の出から正午までの朝営業の出勤(二部)だった僕は、誰もいない深夜に出勤し、ほかのスタッフがお店に来るまでに、すべて一人で終わらせていました。
──接客において、嫌われない極意はありますでしょうか?
降矢:先ほど洞察力が重要と言いましたが、相手が“何を求めているか”をとにかく察する。顔、表情、しぐさ、とにかく見る。お客様がしきりと脚を組み替えていたら、座り心地が悪い証し。例えばそこで「席替える?」と提案したっていい。あとは、こちらが嘘をつかず“本音”を話す。当たり前に信頼できる人間でなければ、お客様は大金を支払わない。こちらからどんどん情報開示していく。そのときに、「お客様だけに言いますが……」「誰にも話したことないんですが……」と特別感を出す。まぁ、これ以上の億を売る技術は書籍を読んでください(笑)。
──〝嫌われない〟を積み重ねた結果、’21年に5億でしたが、記録を打ち立てて迎えた降矢さんの’22年はどうでしたか?
降矢:一時期、接客のサポート役である“ヘルプ”に入ろうとすると、「後輩に頼んでいるので大丈夫です」と後輩は萎縮するし、彼らから声をかけられる機会も激減。以前は確かにあった親近感や家族的な感じが、遠のいていく感覚に襲われました。新規のお客様に関しても、「えっ……。私、そんな大金持っていない」と身構えられて、会話さえままならなくなるときもありましたね。「トップ」と「孤独」は背中合わせ。厳しい現実を突きつけられた一年でしたね(笑)。
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