お金

店舗激減の「はなの舞」。焼肉業態、海外拠点が失敗…それでも黒字化を見込むワケ

ベトナム拠点も2020年に撤退

同社は様々なブランドの店舗を展開するも、ほとんどが居酒屋業態であり、他居酒屋チェーンと同様に宴会自粛や時短営業の影響を受けました。比較的安定しているコントラクト店も規模が小さく、全社業績を支えるに至りませんでした。 ワタミと同様に焼肉業態も始めましたが打開策とならず、2018年に進出していたベトナム拠点も2020年に撤退しました。なお、助成金や協力金、短期借入金もあって手元資金は確保しましたが、自己資本比率は60%台から20%台へと大幅に落ち込んでいます。

今期は黒字化が進む?

チムニーは今後の方針について、従来通りコストの見直しにより損益分岐点の引き下げを目指すとしています。また、同社は価格帯及び店舗規模ごとに様々な業態の店舗(海鮮居酒屋から大衆向け焼鳥居酒屋まで)を展開してきましたが、各店舗を適材適所に配置することにより収益向上を狙うようです。 これといった目新しい方針は無いものの、宴会の自粛ムードはほぼ無くなりつつあり、一定の回復は期待できるでしょう。都内観光地付近の店舗ではコロナ禍以前に伸びていたインバウンドによる売上が業績回復に寄与するかもしれません。なお同社は2024/3期業績について売上高230億円・営業利益5億円と、コロナ禍以降初の黒字化を見込んでいます。 <TEXT/山口伸>
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_
1
2
3
おすすめ記事
ハッシュタグ