更新日:2023年06月04日 10:19
仕事

60分550円で飲み放題“0秒レモンサワー”「安いだけじゃない」人気の理由に迫る

課題は「いかにしてファンを抱え込むか」

――コロナ禍で、店舗数を拡大できた要因をどのようにお考えですか? 金谷:顧客に対する考えでは、コロナ禍にあった「非接触」のテーマが上手く合致したんだと思います。ときわ亭では、注文を受けて最初にグラスを渡したあとは、テーブルのタブレット端末から注文した商品をスタッフが提供するのみですから、基本的には顧客との接点が限られているんです。また、焼肉店として3分半に1度、店内の空気が入れ換わるので「安心・安全」と感じていただけたのも理由にはあったと思います。 ――ポストコロナとなり、集客面での変化もありますか? 金谷:1卓あたりの利用人数が増えました。コロナ禍の平均客数は「2.3〜2.4人」でしたが、徐々に増えつつあります。特に、5月8日に新型コロナウイルスが5類に移行してからは、会社員の来店が増えた印象です。競合店舗も活況を取り戻す中では「選ばれるお店づくり」をするべく、いかにしてファンを抱え込むかという課題もあります。

「また来たくなる」ような施策の数々

ときわ亭

何度もリピートしたくなる店舗を目指す

――課題に対して、具体的な取り組みは? 金谷:いつでもトッピングの「冷凍レモン」が無料や、来店毎にポイントがたまり、ポイント数に応じて特典を受けられる公式アプリは、施策のひとつです。会員数は24万人(2023年5月時点)に達しましたが、ファンコミュニティ活性化のために「アンバサダー制度」を設け、毎月のキャンペーンを展開するなど、顧客に「また来ていただける」ような施策を様々に検討しています。 ――店舗の持続と、認知拡大を両立する大変さもあるのかと思います。 金谷:飲食店をリピートしない一番大きい理由は、「特にない」なんですよ。接客や料理提供のスピードなども要因にありますが、そのなかでも大きいのは「存在を忘れてしまう」ことなんです。2度、3度とリピートしていただけるよう、お店を体験したことのある方々にメッセージを届け、広く認知していただくための努力は絶えず必要と思っています。 <取材・文/カネコシュウヘイ>
1
2
3
4
5
おすすめ記事
ハッシュタグ