更新日:2023年06月18日 10:09
エンタメ

胸がアツくなる“父と子”の感動作…。「父の日に観たい映画3作品」の見どころを解説

変わることのない父と子の関係を描いた『父ありき』

映画

松竹公式HPより

 最後は、今の若者にこそ観てほしい、1942年公開の『父ありき』。当時32歳だった笠智衆が初めて主役に抜擢され、70歳の老人を演じ話題となった。父と息子との愛情が丁寧に描かれた名作だ。  金沢の中学教師である堀川(笠智衆)は、妻を失い、小学生の良平(佐野周二)と2人で暮らしていた。ある日、修学旅行先で教え子を溺死させてしまい、責任を感じた周平は学校を退職し、中学生になった良平を寄宿舎に預けて1人で東京の工場に勤めることに。  東北帝大を卒業し教師となった良平は、父親と温泉宿で再会し「教師を辞めて上京し一緒に暮らしたい」と告げる。しかし、周平は「今の仕事を投げ出してはいけない」と息子を諭す。  それからしばらくして、かつての教え子たちの発案で堀川の同窓会が催されることに。料亭で教え子たちと再会しすっかり調子の良くなった堀川は、帰宅して良平に会が楽しかったことを話す。しかし、翌朝になって体調を崩し、緊急入院することになり……。

自分の親子関係を振り返らずにはいられない作品

 戦時色が強い時期の映画だけに、戦後になって多くの箇所がカットされているといい、辻褄があわない場面があるのも事実。画質や音質も十分ではないのが残念だが、カット割りや俳優陣の動作から父と息子の関係の在り方が不思議と見て取れる。  父が息子を思う心情と、息子が父を慕う心情が細やかに表現されているこの作品を観た後は、自分の親子関係を振り返らずにはいられないだろう。 * * *  わずか3作品しか紹介できていないが、どれも父親と子の絆を描いた良作ばかり。さまざまな父親の姿に心を動かされ、父への感謝に気づけるだろう。これを機に鑑賞し、父親のことを少しでも考え、改めて感謝の気持ちを伝えてほしい。 文/萌映(もえ)
興味や思考・気づきを活かすエンタメ系ライター。『エンタメNEXT』『NewsCrunch』などでも執筆。エンタメ以外の趣味は散歩。話を聞く・会話をすることが好き。Twitter:@moeeeee_k
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