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一風堂、町田商店、山岡家で“真の勝ち組”は…ラーメンチェーンで分かれた明暗

盤石な経営体制を確立した山岡家

山岡家 町田商店 一風堂

営業利益率 ※各社決算短信より筆者作成

 山岡家は2022年度の営業利益率が2.3%となりました。前期と比較すると2.0ポイント落としています。しかし、売上高と利益率は比較的安定的に推移しています。人件費や光熱費の負担が大きい直営店、24時間営業にもかかわらず、営業赤字に陥らなかったのが山岡家の強さだと言えます。  山岡家はロードサイド店を基本としており、東京都には瑞穂町にしか出店していません。肉体労働者をターゲットとしているために巣ごもりやリモートワークの影響を受けづらく、安定した集客ができます。2020年4月というコロナ直撃の時期でさえ、客数は前年同月比79.2%という驚異的な数字を保っていました。同じ時期の一風堂は44.2%です。  郊外型で根強いファンに支えられている店舗展開の強さが明るみになりました。ちなみに2024年1月期に「お客様に喜んで貰う」というスローガンを掲げています。これこそが、この会社の真髄でしょう。業績の拡大よりも安定を重視し、ファンやリピーターに愛される店舗展開を行っています。

円安が一風堂の利益押し上げ要因となるか

 一風堂はコロナ禍の影響を強く受けた外食企業の一つ。2020年度は10億円近い営業損失を出しています。売上減の影響により、国内で5億円、海外で4億円の損失を計上しました。  一風堂は繁華街型の店舗が主体。リモートワークや巣ごもりの影響を真正面から受けました。インバウンド需要の消失がそれに拍車をかけます。更に海外ではロックダウンによる強い行動制限が課されました。  しかし、2022年度は業績が急回復しています。利益面での貢献が大きいのが海外事業。2022年度の海外事業の利益率は12.7%にも及びます。国内事業はわずか5.4%。一風堂の会社全体の営業利益率は8.7%ですが、この高収益体質は海外事業が支えています。  一風堂のニューヨーク店の「白丸」の値段は18ドル。1ドル130円換算で2,300円ほどになる計算です。日本では値上げをしても850円。日本で販売するよりも、海外の方が遥かに稼ぎやすいのがわかります。  しかも、円安が追い風になります。一風堂は2023年度の海外事業の営業利益を前期比12.4%増の16億7,400万円としていますが、1ドル116円、1ユーロ123円を前提としています。8月13日の時点でドル円は145円、ユーロ円は159円前後で推移しています。円安で利益が押し上げられる可能性は十分にあります。  裏を返すと、一風堂は為替リスクや海外特有の政策(かつてのゼロコロナ政策など)に業績が左右されやすい傾向があるわけです。
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“独自路線”の町田商店
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