仕事

好調「業務スーパー」と上場廃止の「いなげや」…3年前は同規模だった両社の明暗が分かれた理由

拡大ペースに合わせて堅実に人材を採用

 また、神戸物産は極めて効率的な経営を行っています。2020年10月末時点の社員数は1565人。1店舗あたり0.6人で運営していることになります。しかも、この1店舗0.6人という数字は過去3年、全く変化していません。出店スピードを完璧と言えるまでに予測し、それに合わせて人材を採用しているのがわかります。  人件費が高騰する中、フランチャイザーはビジネスで有利なポジションを獲得しました。しかし、売れる仕組みを構築し、拡大スピードをコントロールしなければ、客離れを引き起こして失墜します。神戸物産はその2つを器用にこなしています。  いなげやはイオンの子会社ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスに買収されることが決定しており、2024年11月を目処に完全子会社化、上場廃止になります。  力を失ったスーパーが、大企業に次々と飲み込まれる時代となりました。 <TEXT/ 不破聡>
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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