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ファンとパパ活、ライブは実質“カラオケ大会”…最下層「地底アイドル」の危なすぎる実態

 過激なファンサービスなど治安の悪さがたびたび取り沙汰される地下アイドル界隈だが、さらにその下をいく「地底アイドル」なるものが存在するという。関係者の声を通じてその実態に迫った。

すべてのクオリティが著しく低い「地底アイドル」

地底アイドル

メディアに出ることがないため、ファンとの距離が限りなく近い地底アイドル。中にはファンとパパ活同然の行為を行うコもいるとか……

 地下アイドルのさらに下を行く地底アイドル。いったい何者なのか。アイドルプロデューサーのA氏は話す。 「本人、運営、ファンといった関連各所すべてのクオリティが著しく低いのが特徴。本人もマネジメント側もメジャーを目指していないため、パフォーマンスよりも特典会(撮影会やグッズなどの物販を行うイベント)に主軸を置いています」  インディーズアイドル事情に詳しいライターの松原大輔氏も、「地底アイドルはアイドルヒエラルキーの外にある別物の存在」と話す。 「ひと昔前までは、一定のレベルでないとステージに立つのが恥ずかしいという認識がありましたが、今ではそれが希薄。安い既製品の衣装を着て、オリジナル曲もなくカバー曲ばかりで、実質カラオケ大会の様相だったりします」  歌詞やダンスを覚えずにスマホを持って歌う。歌っている時間よりMCのほうが長いなど壊滅的光景も珍しくない。 「スマホどころか、ファンが歌詞カードを持ち、ライブ中にめくって見せてあげている場面もよくありますよ」(A氏)

アイドル供給過多の時代

地底アイドル 松原氏は「地底化」の背景についてこのように話す。 「今はオタクの数に対し、アイドルが供給過多の状態で、下層のアイドルは集客がほぼできない。またコロナ禍を機に会場レンタル費が安くなってきているのもあり、アイドル本人やファンでも簡単にイベントを主催できる。それで、グダグダでも許される雰囲気が加速したんです」  加えて「6人組アイドルの観客が1人ということも珍しくない」(A氏)とも。そのような中では、過激なパフォーマンスや企画に頼るほかない。 「コロナ禍前にはライブ中に客席に生魚を投げ、会場に出禁になったグループもいます。今もその系譜が続いており、成人向けビデオのデビューや性行為をチラつかせて客寄せをするグループもあります」(同)  透明シート越しにファンとキスをする、“手ブラ”やハグ、性行為の体位でチェキ撮影など性的サービススレスレの特典会は以前から問題視されていた。だが会場側も、コロナ禍で集客が悪化したため過激行為をこれまで以上に見逃すようになったのだという。
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