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“楽天離れ”に歯止めがかからず…「中華系ECサイト」と比べて致命的に弱い部分が露呈

「ロスを極限まで減らす」仕組みが

続いてSHIENの強みの2つ目、それは画期的なマーケティングシステムを持っている点だ。SHIENは、市場で売れてる商品ビッグデータをAIで解析し、流行のデザインを秒速でパクり、在庫リスクが発生しない最適な在庫数を瞬時に割り出せるシステムを持っている。 これにより、商品を安価なコストで製造できるだけでなく、ロスを極限まで減らして世界中に販売することに成功したのである。 また、最近SHIENは自社のECモールに商品を掲載して販売をしたい企業を募り始めた。SHEIN自身の製品だけでなく、第三者の売り手からの製品も提供される「SHIEN Marketplace」というサービスだ。

いずれは世界最大のショッピングモールに?

現在、SHIENはブラジルと米国での展開に続きメキシコでのローンチを発表している。さらに、ドイツ、スペイン、フランス、イタリアなどの他のヨーロッパ諸国にも展開する計画を明らかにしており、SHIEN Marketplaceが広がれば一気に世界のシェアを奪いにくることも否定できない。 今後、SHIENは各メーカーに対し、商品開発の段階で売れ残りが発生しにくい必要な在庫数を瞬時に割り出せる仕組みを提供すると発表している。 これによりSHIENでの商品数が拡大し、さらなるデータを蓄積、いずれは世界最大のショッピングモールに成長することが考えられるだろう。
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もう一つの脅威、「Temu」とは?
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EC・D2Cコンサルタント、Amazon研究家、株式会社GROOVE CEO。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社、出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、同社大阪支社の立ち上げを経験。マーケティングマネージャーとしてAmazonスポンサープロダクト広告の立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。Youtubeチャンネル「たなけんのEC大学」を運営。紀州漆器(山家漆器店)など地方の伝統工芸の再生や、老舗刃物メーカー(貝印)のEC進出支援にも積極的に取り組む。幼少期からの鉄道好きの延長で月10日以上は日本全国を旅している

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