更新日:2023年10月22日 10:08
エンタメ

“174㎝53kg”モデル体型で男子レスラーと戦っていた赤井沙希。「引退するギリギリまで強くなりたい」理由

死ぬ気で取り組める“何か”がほしかった

――そこまで固い意志を持った赤井選手がプロレスデビューしたのは、どうしてですか? 赤井:私の芸能活動はスカウトされてスタートしました。モデルやタレントをやり、「この先いつか恋愛して結婚して家庭を持つかもしれない」と想像しました。でも何か死ぬ気で一生懸命取り組んだことはなかった。自信持って言えることが一つでもあるかなって。 芸能の仕事を続ける中、本当に死ぬ気でやってきたのかと振り返ったら、「爪跡を残してやるぞ、絶対に」という強い信念があったわけではない。「死ぬ気でやることがプロレスなのかは分からないけど、全うしてみたい」という想いが芽生えました。 ――赤井選手としては、ある意味、覚悟を背負ってのリングだったのですね? 赤井:はい。やると決意したからには、子ども達に「大きくなったら沙希ちゃんみたいなプロレスラーになりたい」と思ってもらいたいなと。プロレスラーはスターであり夢のある存在ですから。

デビュー戦は消化不良…「またやりたい」という感情が溢れてきた

――デビューまで、どのくらい練習期間がありましたか? 赤井:練習期間は3~4か月。元々ボクシングはしていたけど、ずっと中高、短大と女子校育ちです。男子校だと授業で柔道の受け身とか習うけど、「受け身って何?」みたいな感じでしたね。 練習当初はロープが背中にあたっただけでも痛かった。レスラーはこの痛みを経験し、長い時間をかけて鍛錬してきたんだと実感しました。 私は運動神経もあまり良くないですし、どんくさい。ただ「できることをやってから、続けるか辞めるかっていう選択肢を作ってもいいかな」って。とりあえずやってみようと。 ――8月18日のデビュー戦後もプロレスラーとして継続参戦した理由はどうしてですか? 赤井:デビューまでの準備期間、休む間もなく練習したんですけど、練習が足りないと思って不安でした。そんな状況で、緊張して震えながらデビュー戦のリングで戦って、試合後まだやり足りないと。 それに「あの場面、こうすればよかった」と反省点が出てきて。このなんかモヤモヤとした消化不良な感覚は…次の試合でリベンジするしかないなと。「またやりたいな」っていう思いが溢れてきたんです。 ――完璧主義者ですね。 赤井:そのモヤモヤは、他では解消できないなと思って。リング上の問題はリング上でしか解決できないですから。
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所属選手を「最初から異性として見ていない」
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22歳でラジオDJデビュー。その後、ナレーターとしてニュース番組を担当。またスポーツ実況を担当し選手個人に興味を抱きスポーツライターとして活動を開始。その他、司会やアニメーター等、様々な活動を続けている
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11月12日両国国技館で赤井沙希選手の引退試合が開催。同門イラプションのメンバー坂口征夫&岡谷英樹とタッグを結成。元イラプションの樋口和貞、同期で東京女子プロレスの山下実優、そして“方舟の天才”プロレスリング・ノアの丸藤正道と対戦する。

詳しくはDDTプロレスリングのWEBサイトをご覧ください。
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