営業マンなのに「毎日100km」運転するだけの日々。交渉にも参加させてくれない上司が放った“最悪な一言”
人事労務に関わり、30年を超えるキャリアの人事コンサルタント・川口雅裕さんに取材を試みた(以下は、川口さんの回答を筆者が構成したもの)。
採用の募集広告と入社後の仕事内容に大きな差があり、そこに男性は不満を抱えているのではないでしょうか。かつては、採用時の募集で”営業職”とする企業が圧倒的に多かったが、ここ20数年でコンサルティング営業、ソリューション営業などとうたうケースが増えてきました。確かに営業には、相手の企業の問題を解決するという側面はあるので、”ソリューション営業”とするのは事実関係としては誤りではないでしょう。
私の以前のクライアント先の不動産会社は、募集時に”住宅営業”を”リビングアドバイザー”と変えたところ、エントリー者が大幅に増えたそうです。エントリー者が増えると、求める人材と巡り合える可能性は高くなる傾向があります。最近は労働力不足ですから、このような求人広告や採用になりやすいのではないか、と思います。
ただし、今回の事例はこの類とは違うように思います。運転だけを、しかも1日100キロもさせているならば営業補助であったとしても、営業とは言えない。ソリューション営業でもない。その意味で大いに問題があります。

1日100キロも運転させ続けると、男性社員は心身の不調になるかもしれない。そこから深刻な問題や労使紛争に発展する場合もありえます。
人を雇うことの意味を考え直してほしい。人は、利益を出す道具ではないのです。経営者がすべきは、社内の人とお金などを適切に配置し、組織や人が問題なく動くようにすること。この事例では、ただ単に営業をしているだけなのです。
いわゆる営業会社なのかもしれませんが、仮に営業会社ならば新卒者が定着し、育成できる環境をきちんと整備したうえで新卒採用を実施すべきでしょう。事例を読む限りでは、そのような環境があるようには思えません。
人を育てる、というのは製造業では多くの会社で重要課題として取り組まれていますが、営業会社では人材育成という課題の優先順位がかなり低いと私は見ています。新卒者を雇い、丁寧に教え、育て上げるといった意識が浸透しているようには見えません。本来は、こういう会社は新卒者を採用すべきではないと思います。
募集広告と実際の仕事が違う理由
育成できる環境を整備したうえで新卒採用を実施すべき

人事コンサルタント・川口雅裕さん
ジャーナリスト。1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年より、フリー。主に企業などの人事や労務、労働問題を中心に取材、執筆。著書に『悶える職場』(光文社)、『封印された震災死』(世界文化社)、『震災死』『あの日、負け組社員になった…』(ダイヤモンド社)など多数
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