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“糖尿病用の薬を使うダイエット”流行で本来の患者分が品薄に…さらに「薬をやめるとほぼ全員がリバウンド」危険な実態

製薬会社の株価を押し上げるほどの影響

[男の欲望薬]大研究国内では逆風が強まっているGLP-1ダイエットだが、そもそもブームに火がついたのはアメリカだった。 「アメリカは国民の4割が肥満とされる国なので、そこに現れた救世主的な存在として人気が高まったわけです。’21年に肥満症薬として注射薬『ウゴービ』が実用化され、これは日本でも今年3月に承認されましたが、世界的な品薄でまだ発売されていません。続いて米イーライ・リリー社の『マンジャロ』が、まだ糖尿病の薬としての承認しか受けていないのに、肥満症への効果が注目されてヒットし、同社の株価が急騰するほどの影響がありました。今では製薬会社がこぞって新薬の開発競争をしています」 そう話すのは、医療経済ジャーナリストの室井一辰氏だ。 「肥満症薬は巨大市場です。モルガン・スタンレーの調べでは、世界市場では’30年に770億ドル(約11兆円)に膨らむという予測があります。製薬会社にとっても、久しぶりに登場した“ドル箱市場”なのです」 [男の欲望薬]大研究

今後は保険適用になる肥満症薬が増えてもおかしくない

前出の新薬「マンジャロ」は日本でも局地的に大ブームを巻き起こしていたという。 「今年の春にマンジャロが出ると、『効果がスゴイ』と大人気になったんです。私も試しに打ってみましたが、空腹感が一切なくなり味見さえイヤになりました。人気すぎてすぐに品薄になり、在庫があるクリニックに連絡して直で買ったりしましたが、それもすぐに枯渇し、今ではまったく手に入りません。『いつ入るんだ!?』と問い合わせが次々に来るし、まるで“マンジャロ・ショック”です」(前出・美容クリニック関係者) 巨大なニーズがある薬なだけに、「今後は保険適用になる肥満症薬が増えてもおかしくない」と室井氏は続ける。 「日本で承認されたウゴービの保険適用条件は『BMI27以上で2つ以上の肥満に関する健康障害がある人』とされているので、当てはまる中年はそれなりに多いはず。日本でも中外製薬が糖尿病・肥満症治療の新薬候補を抱えていたりするので、将来的にはもっと普及するかもしれません」
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現状ではリスクを伴う“自己責任の世界”
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