中国製の怪しいダイエット薬を試してみた
―[間違いだらけの健康法48連発]―
下半身に効くと聞けばマムシのすり身や蒲焼きを食べに場末の居酒屋へ足を運び、腰痛が治ると聞けば、蟻がびっしり浮かぶ蟻酒を飲む。サイエンスライターの川口友万氏は、あらゆる健康法を人体実験してきた剛の者だ。さぞ悲惨な目に遭っているに違いないと聞けば、出るわ出るわ。川口氏の挙げる“ワースト3”は下記の通り。
●脂肪融解注射
内臓脂肪を注射で融解させる。向き不向きがあり、人によっては5kgくらい痩せるらしいが、効くかは注射してみないとわからない
●丸ごとニンニクで精力アップ
普通、料理に使うニンニクはひとかけら程度だが、丸ごと煮てスープにして食べる。効果はあるが、体中からニンニク臭が漂う
●中国産の怪しいダイエット薬
高熱を出し、代謝をよくすることで痩せさせる薬。胃の調子が悪くなって食べられないので痩せるには痩せるが、当然リバウンドする
「脂肪融解注射をすれば5kgくらい痩せるというからやってみたら、まるで効果なし。お腹に100か所くらい、剣山みたくチクチク刺すから、ブツブツと青黒い痣のようになって、2週間くらいずっと痛い。しかも、薬の成分でお腹がパンパンに腫れて、1kgたりとも痩せないどころか、よけいに見た目がデブになって散々でしたね」
そして元気いっぱいの下半身を求めて食べたニンニクは効いたものの、奥さんに「ニンニクが歩いてるみたい」と怒られ、セックスどころではなかったとか。せっかくのイチモツの持ちぐされである。
「中国のダイエット薬を個人輸入で買ったときもひどかった。高熱を出すことで体の代謝をよくするのですが、いかんせん38度くらい出るから、風邪をひいているときと同じで、胃がむかむかして食欲がまったく出ません。3日くらい食べられない状態が続くから当然痩せるけど、4日目には体が薬に慣れて効かなくなり、反動でドカ食い。結局、3日間で3kg痩せて、4日目に一気に4kgもリバウンドしました……」
まだマムシや蟻酒のゲテモノのほうが効果があった、とボヤく川口氏。彼の飽くなき探求は続く!
【川口友万氏】
サイエンスライター。富山大学理学部物理学科卒。怪しい都市伝説などを自ら実験・検証し、執筆している。著書に『媚薬の検証』(データハウス)など
取材・文/朝井麻由美
― 間違いだらけの健康法【14】 ―
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