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「いつもLINEをブロックされて…」上場企業勤務で“年収1000万超”の30歳男性が結婚できない理由

ルックス、病気の家族、宗教2世の三重苦

 サライさんが抱える苦難は、それだけではない。サライさんは宗教2世でもあったのだ。 「母が入っていた新興宗教は、幼稚園から系列の施設がありました。子どもを幹部にしたければ、系列校へ入れるのが王道です。しかし、私はどうしても馴染めなかったんですね。父は入信していませんでしたし、信仰しても弟は苦しんでいたわけですから。ただ、母は弟のことで病んでしまっていて……。特に覚えているのは、布教所に一緒に行ったときのこと。母がみんなの前で泣いていたんです。『私が結婚したら、お父さんも信仰してくれると信じていたのに、裏切られた』と。その母を見て、ドン引きしちゃったんですよ。それが、新興宗教のアンチになった決定打でしたね」
弱者男性パンデミック

イラスト/サレンダー橋本

大学院に進学もメンタルにダメージが

 学校では体形を揶揄されて傷つき、家庭は宗教と各々の抱える病気で揉めている。安息の地を求めて学問を志すも、大学院で心を病んでしまう。彼が今、無事に働けているのは、強靭なメンタルと努力の賜物としか言いようがない。 「もし、自分が女性だったら、結婚という逃げ道があったかもしれないと思うんですよ。というのも、私と弟以外の親族は、全員女性なんですけれども、結婚できているんですね。同じ宗教のトラブルを抱えているし、顔も私と似たりよったりですが」
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婚活市場で「足切り」に遭う弱者男性
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ライター、経営者。主にキャリアや恋愛について執筆。5000人以上の悩み相談を聞き、弱者男性に関しても記事を寄稿。著書に『弱者男性1500万人時代』(扶桑社新書)『ハピネスエンディング株式会社』(小学館)。X:@10anj10

弱者男性1500万人時代 (扶桑社新書)『弱者男性1500万人時代』 (扶桑社新書)

データで読み解く“弱者男性国家”ニッポンの現在


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