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「大谷は4年目で日本一に貢献」“5年目”の佐々木朗希に課せられるノルマ

「年々凄みを増す」フォークの切れ味

非常に期待値も高かったようで、高卒1年目の時点で一軍に帯同させていたが、本格的に一軍のマウンドに上がったのは2年目から。圧倒的なスピードはもちろんのこと、フォークの被打率は低く、高い空振り率を誇っている。 ・2021年:被打率.101、空振り率19.18% ・2022年:被打率.111、空振り率28.57% ・2023年:被打率.098、空振り率30.04% 年々空振り率は増加しており、プロのバッターをも圧倒する凄みが増していることがわかる。 また、WBCでダルビッシュから学んだスライダーもうまく活用しているようだ。このスライダーが、自在に操れるようになれば、日本だけではなくメジャーでもトップクラスの成績を残すことも可能だろう。

プロ5年目の佐々木に課せられるノルマは…

将来的には、メジャーで投げることは間違いないだろうが、体力面が課題である。2022年に完全試合を達成し、2023年にはWBCで世界一、シーズンが始まれば山本由伸に投げ勝つなど2年連続でこの上ないスタートを切っている。このようにシーズン開幕後の春先には、圧倒的なピッチングを見せているが、夏以降は疲れや怪我などでパフォーマンスが下がっていることも否めない。中6日のローテーションをしっかり守り、1年間を通じて投げ切った成績をファンは期待している。 ダルビッシュも、プロ入り3年目に沢村賞などのタイトルを獲得し、それ以降のキャリアでもタイトルを毎年獲得。同様に大谷も、3年目に最多勝、最優秀防御率を獲得し、4年目には二刀流でチームを日本一にまで導いている。 プロ5年目のシーズンに入る佐々木に課せられるノルマはやはり「規定投球回数を投げ切ること」だろう。大事に育てられている反面、体力がついていかない場面が多々ある。今シーズンはキャリアを占う勝負の年になっていくだろう。日本国内で圧倒的な成績を残してから、是非ともメジャーリーグに挑戦してほしい。 これまで見せたポテンシャルの高さからすると、NPBだけではなくMLBでもトップクラスになれる器の投手なのは間違いない。ゆくゆくは球史を見ても、一つの時代を作れる投手になれると思っている。吉井監督と二人三脚で、歴代最強と言われるほどの投手に成長することを期待していきたい。 <TEXT/ゴジキ>
野球評論家・著作家。これまでに 『巨人軍解体新書』(光文社新書)・『アンチデータベースボール』(カンゼン)・『戦略で読む高校野球』(集英社新書)などを出版。「ゴジキの巨人軍解体新書」や「データで読む高校野球 2022」、「ゴジキの新・野球論」を過去に連載。週刊プレイボーイやスポーツ報知、女性セブンなどメディアの取材も多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターにも選出。日刊SPA!にて寄稿に携わる。Twitter:@godziki_55
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