更新日:2024年02月05日 11:49
エンタメ

松本人志不在の『IPPONグランプリ』。代理チェアマン・バカリズム“現役目線コメント”が冴え渡る

Bブロック:アップダウンが激しい「秋山劇場」

 Bブロックの出場者は秋山竜次(ロバート)、箕輪はるか(ハリセンボン)、児玉智洋(サルゴリラ)、博多華丸・大吉、堀内健(ネプチューン)。  サルゴリラは『IPPONグランプリ』初のコンビでの出場。バカリズムに「相方さん良かったからハードル上がりそう」といじられた児玉が「代えてくれチェアマンを!」と代理の代理を要求する一コマも。  第1問では秋山が4本のIPPONを奪い単独トップに。しかし第2問の「写真で一言ルーレット」は絶不調でIPPONはゼロ。2周目では下ネタを繰り出してしまい、採点する審査員を葛藤させてしまう。第3問「一人称が『うち』の人が言いそうなことを言ってください」でも10本(IPPON)と0本を行ったり着たりし、バカリズムに「さっきからどうしたんですか」「同じ人が書いた答えとは思えない」と言われるほど。  結局Bブロックも全員横並びとなり、迎えた最終問題は「&を3つ以上使って何か言ってください」。このお題にバカリズムは「&が2つだったら三段落ちでやりやすいんだけど、ちょっと工夫が必要」とコメントし、配信限定の未公開版では「あまりたくさん答えを出せるタイプのお題じゃないので、予選よりも決勝向き」と見立てていた。  切り口の工夫が求められる難題に、博多大吉は「あさこ&大久保の絶景&グルメ旅 in熱海&伊豆」とテレビの世界に&を埋め込み、はるかは「テツ&&&トモ !!」と絶叫。そしてアップダウンの激しかった秋山は、このお題で再びチューニングを合わせ直した。  秋山は「オーダーOK? タン塩&上カルビ&上ハラミ&オー……キムチ盛り合わせ」と片言でオーダーしたかと思えば、「&ゴホゴホ……&ゴホゴホ……&ゴホゴホ、and I~」と オールウェイズ・ラヴ・ユー(ホイットニー・ヒューストン)を咳き込みながら歌い上げる。自由自在に暴れまくり、IPPONを奪い、最後はサドンデスを制して秋山がBブロックを勝ち抜けた。  決勝戦の前に「CHAIRMAN’s EYE」ならぬ「BAKARHYTHM’s EYE」のコーナーで、バカリズムの大喜利が見られたのが嬉しい。TVerでは配信限定の未公開回答もあり、このクオリティで本戦を戦ったらどうなっただろうと想像してしまう。

決勝戦:一撃必殺が続く死闘

 決勝戦のカードは、フレーズで戦う川島と、演技力でねじ伏せる秋山。ともに優勝経験2回で、決勝では初顔合わせ。決勝戦はIPPONを3本先取したほうが優勝だ。  第1問は「ボウリングですべての投球がガターだったとき起こることとは?」。このお題は「予選でたくさん出したいタイプのお題」だとバカリズムは話し、だからこそ「より強いやつを出したい」と見守る。先にボタンを押したのは秋山。「収録ですべったときみたいに、帰りに『いや良かったですけどね』と変な気を使ってくれる」と、台詞にらしさを込めて一発でIPPON! 「絵を書いていたら終わっていました」という川島に、「絵は若干時間がかかるというね」とバカリズムも共感する。  続く第2問「芸人自己紹介大喜利」も秋山が制し、あっというまに秋山がリーチ。第3問は「1対1の戦闘で『フッフッフそれは残像だ』よりも相手がビビることを言ってください」。2人とも得意そうなお題。相手に取られまいと、絵ではなく文章をいち早く書き始め、ボタンを押したのは川島だった。「よくわかんないうちに始まっただろ?フッフッフ、これがインボイス制度だ」と時事を絡めたエエ声で、IPPONを取り返す。  第4問は「動画でアフレコ」。両脚を激しく上下させる民族舞踊の動画に、即興でアフレコをせねばならない。秋山優勢かと思われたお題だったが、それを振り切るように川島が思い切りボタンを押す。上下する両足にあわせ「アツ!アツアツ!」と熱がり、「人生初の~人生初の~床暖房~」と歌い上げた。秋山のお株を奪う歌回答で、またも一発でIPPON! 一撃必殺の応酬で、2-2にまでもつれこむ。  死闘の結末を決める第5問は「今 アナログテレビをつけるとどうなってる?」。秋山、川島とひとつずつ答えるが、審査員も様子を見たのか、ここはお互い一発でIPPONとはいかない。ここで、ペンを走らせながら秋山がボタンを押す。  秋山は「白髪のおじさんが『いやだから終わってんだよ!』って」と両手をバツにして叫んだ。そのまま「終わってんの!」「だから終わってんの」と、秋山はずっとおじさんを演じ続ける。あんなにペンを走らせていたフリップを最後まで持たないまま、どんどん点が入りIPPONに……!  答え終わっているのに「終わってんの」と粘る力技で、優勝をもぎ取った秋山。前回優勝した2014年から、実に10年ぶりの優勝だ。Bブロックでも決勝戦でも、この10年でも、アップダウンを経て勝利が巡ってきた形になった。次回は第30回大会。今回大健闘した優勝未経験者たちにも、チャンスが巡ってくるかもしれない。 <TEXT/井上マサキ イラスト/まつもとりえこ 編集/アライユキコ> 【まつもとりえこ】 イラストレーター。『朝日新聞telling,』『QJWeb』などでドラマ、バラエティなどテレビ番組のイラストレビューを執筆。趣味はお笑いライブに行くこと(年間100本ほど)。金沢市出身。X(Twitter):@riekomatsumoto
ライター。大手SIerにてシステムエンジニアとして勤務後、フリーランスのライターに。理系・エンジニア経験を強みに、企業取材やコーポレート案件など幅広く執筆するかたわら、「路線図マニア」としてメディアにも多数出演。著書に『たのしい路線図』(グラフィック社)、『日本の路線図』(三才ブックス)、『桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか?』(ダイヤモンド社)など。X(Twitter):@inomsk
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