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東大合格を目指すのに中学受験は必要なのか?関係者は語ってくれない“大きなリスク”

中学受験のリスク

 私立中高一貫校の連合が、毎年800名近くを東大に送り込んでいることを考えても、上記のルートはある程度確立されていることがわかります。今回私が実施したアンケートでは、54%が中高一貫校出身であると推定されるデータが出ました。やはり、東大には中高一貫校出身者が非常に多い。  ですが、本当に中学受験は必要なのでしょうか? 先ほど引用したデータからしても、裏を返せば46%の人は中高一貫校ではないところから東大に合格したと考えられます。中学受験をしなくても、東大に入れる証左ではないでしょうか。  受験関係者は利益を確保するために、中学受験のデメリットに関しては口をつぐみます。ですから、中学受験の悪い点については全く語られてきませんでした。  とはいえ、語られないからと言ってリスクがないわけではありません。中学受験のリスクは、そのまま「失敗のリスク」が挙げられます。特に高校受験、大学受験と異なるのは、実力の低い受験生の逃げ道がない点です。  中学校は義務教育なので、全ての子どもが通うことになります。これは中学受験組にとって、「受験で失敗したら、学区域の公立中学校に通う」ことを意味します。高校受験、大学受験であれば、浪人を避けるために偏差値帯の下がる学校も受験するでしょう。学力の低い学生に対しては、レベルにあった学校が受け皿として備わっています。

“受験に失敗した敗北者”のレッテル

 一方で、中学受験においては、受け皿となる学校の数が如実に少ない。義務教育で学区の学校に進学できる中学校では、低偏差値帯の学校の役割が薄いためです。基本的に中学受験先に選ばれるのは私立校ですが、わざわざ低偏差値帯の学校に大金をはたいて子どもを通わせる親は少なく、ありていに言えば、実力の低い受験生は滑り止めの確保に苦労する可能性が高い。  失敗したらそのまま学区の学校に通えばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、往々にして待ち受けるのは「受験に失敗した敗北者」のレッテルです。これを避けるためには、なんとしても受験を成功させるしかない。  すなわち、ある程度失敗が許される高校受験、大学受験に対して、中学受験には「栄転」の2文字しか許されていないのです。ここから外れると、たちまち「落伍者」の烙印を押されてしまうため、退却が許されにくい。  果たして、世の受験生たち、そしてそのご両親は、一度進んだら二度と戻れない道を進む覚悟をして中学受験に臨んでいるのでしょうか? 受験の失敗談などを見る限りでは、全くそうは思えません。  誰しもが栄転を夢見て臨む中学受験。子どもの可能性を信じる親ほど、そしてその未来の輝かしさに目をくらませた親ほど、参戦したがるのは事実です。ですが、ここに述べたように失敗のリスクは高く、受験期の受験生のサポートは考えている以上に過酷です。その受験が本当に人生に必要なのかどうか、再考すべきなのかもしれません。 <文/布施川天馬>
著述家、教育ライター。 一般財団法人「ドラゴン桜財団」評議員。 1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を編み出し、一浪の末東大合格を果たす。著書に最小コストで結果を出すノウハウを体系化した『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』など。株式会社カルペ・ディエムにて、お金と時間をかけない「省エネスタイルの勉強法」などを伝える。MENSA会員。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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