更新日:2024年04月18日 20:10
仕事

「ウンチは掃除できない!」怒れる新入社員が、社内に一斉送信した“トンデモLINE画像”――大人気記事・驚きの新入社員トップ10

会社と求職者の“当たり前”とは

 採用試験の際には入社後に双方の誤解をうまないためにも、従事する仕事の内容をできるだけくわしく、明確に説明することが大切だ。「そうしないと、事例のように早期退職になりかねない」と、大津さん。 「採用においては会社にとっての当たり前が、求職者の当たり前ではない場合があります。一例で言えば、知人がファミリーレストランでアルバイトをしたことがあるのですが、店内のトイレを掃除する機会が何度かあったようです。汚れがひどい時があり、滅入ってしまったと話していました。  知人はお客さんからオーダー(注文)を取ったり、料理をテーブルに運んだりすることが仕事だと思っていたのです。ファミリーレストラン側は、トイレの掃除も仕事と考えていたのでしょうね」

採用時にネガティブな情報を伝えるべきか

 チェーン展開する小売店の求人広告では、こういった事例もある。 「従事する仕事の内容としてレジの対応や商品の陳列のほかに、ある店舗では『トイレの清掃あり』、ある店舗では『トイレの清掃なし』と記載してあります。もしかすると、トイレの清掃があることで不満を持ち、退職した人が過去にいたのかもしれません。  退職理由を把握し、その部分をあらかじめ記載し、双方の誤解を防ごうとしているようにも私は感じました。それであるならば、いい試みだと思います。今回の清掃の会社にも参考になるのではないでしょうか。  働く側からすると、採用時にはネガティブと思える情報もあらかじめ知っておいたほうがよいでしょう。一方で、採用する側はネガティブな情報を詳細に伝えると内定にしたい人が入社しなくなる可能性がありますから、その意味でのバランスは難しいところではあります。ただし、今回の汚物の件は採用時に伝えようがなかったのではないでしょうか。そもそも排水溝にあること自体がおかしいのですから、イレギュラーな出来事かと思うのです」
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男性が浮いた存在になった理由
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ジャーナリスト。1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年より、フリー。主に企業などの人事や労務、労働問題を中心に取材、執筆。著書に『悶える職場』(光文社)、『封印された震災死』(世界文化社)、『震災死』『あの日、負け組社員になった…』(ダイヤモンド社)など多数
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