更新日:2024年05月07日 14:58
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ライバル候補者の街頭演説に突撃…爆音で音楽を流す“選挙妨害行為”が法的に制止できず、警告に留まる理由

組織的な後ろ盾がないのに健闘した須藤元気候補

立候補した9名のうち、当選を果たした酒井候補は江東区議を2期務めた実績があり、2023年11月の江東区長選にも出馬しています。
東京15区

組織的な後ろ盾がなく、選挙区を自転車で回った須藤元気候補(撮影:小川裕夫)

無所属で立候補した須藤元気候補は2019年の参議院議員選挙に立憲民主党から立候補して当選しましたが、党の方針に反発して離党。今回は無所属立候補し、組織的な後ろ盾がない中で2位と健闘しました。 これは須藤候補が江東区出身ということが大きく影響しています。須藤候補が街頭演説をしていると、通りがかかりの人たちが次々と握手を求めてきます。その中には、小中学校の同級生や先輩後輩という人たちが多くいました。格闘家としても知名度が高い須藤候補ですが、地元からの応援票も多かったのです。
東京15区

前回に続き涙を飲んだ金澤結衣候補(撮影:小川裕夫)

3位の金澤結衣候補は2021年の衆院選で東京15区から出馬して落選。前回の選挙で落選後、金澤候補はほかの選挙に出馬するチャンスもありましたが、今回は雪辱を果たすことを目指しました。ほかの選挙によそ見することなく、15区での活動を継続。今回も当選できなかったものの、候補者乱立と低投票率という要因もあります。着実に支持が根づき始めていると思わせる結果でした。

多くの聴衆を集めたのに、票に繋がらなかった2人の候補

東京15区

小池百合子都知事の全面的バックアップを受けた乙武洋匡候補(撮影:小川裕夫)

小池百合子都知事が全面的に応援していた乙武洋匡候補と、ベストセラー作家の百田尚樹さんが立ち上げた日本保守党から擁立された飯山陽候補は、街頭演説で多くの聴衆を集めるほどの人気を誇りましたが、それを票につなげることはできませんでした。
東京15区

日本保守党から擁立された飯山陽候補は、党首の百田尚樹さんや有本香さんが応援に立った(撮影:小川裕夫)

街頭演説は政見を広く訴える手段ですが、集まった聴衆は必ずしも選挙区の有権者とは限りません。実際、4月27日に飯山陽候補は豊洲駅前で街頭演説をしていますが、演説を始める前に、党首の百田尚樹さんが「この中に江東区に住んでいる人はいますか?」と支援者に問いかけていますが、手を挙げた人はわずかに数人でした。多くの人たちが東京15区外から応援に駆けつけていたのです。 選挙区外から応援に駆けつけることが、無意味というわけではありません。街頭演説に多くの支援者が集まることで、立候補者や選挙スタッフもやる気が出ますし、外部に「人気のある候補者」と思わせる効果があります。そうした雰囲気が、浮動票を掘り起こす効果を発揮することもあるのです。
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自民党議員を批判したところで…
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フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。首相官邸で実施される首相会見にはフリーランスで唯一のカメラマンとしても参加し、官邸への出入りは10年超。著書に『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)などがある Twitter:@ogawahiro

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