更新日:2024年05月07日 14:58
ニュース

ライバル候補者の街頭演説に突撃…爆音で音楽を流す“選挙妨害行為”が法的に制止できず、警告に留まる理由

乙武候補の訴えはピント外れだった?

そして、こうした選挙は大きな教訓を残しました。乙武候補は、選挙戦の途中から「公職選挙法を改正して、こうした妨害行為をできないようにしよう」と新しい公約を街頭演説で訴えました。 思うように選挙活動ができなかった心情は理解しますが、だからといって、政治家(もしくは政治家を目指す立候補者)が口にする公約ではありません。有権者の行動を制限することにつながるからです。 乙武候補以外にも、突撃を受けた候補者はいます。しかし、その候補者達たちから「公職選挙法を改正しよう」という声は出ていません。 突撃が選挙という民主主義を脅かす行為なら、公職選挙法を改正して強権的にギャラリーの行動を制限することも民主主義を脅かすことにつながります。 今回の3補選は、立憲民主党の候補者が全勝したいう結果に注目が集まっています。しかし、それ以上に選挙制度における問題点を炙り出し、選挙戦のあり方を考える出来事にもなりました。 <取材・文・撮影/小川裕夫>
フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。首相官邸で実施される首相会見にはフリーランスで唯一のカメラマンとしても参加し、官邸への出入りは10年超。著書に『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)などがある Twitter:@ogawahiro
1
2
3
4
5
6
7
おすすめ記事
ハッシュタグ