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法務省の石看板に“赤色のスプレーを噴射した”40代男性。「信じられない動機」が裁判で明らかに

被告人質問で語られたこと

裁判

法務省の横にある屋外掲示板。こちらにも事件後にカバーがかけられた

 証拠調べの後、被告人質問が行われた。 弁護人「なぜ今回犯行に及んだのか」 被告人「我慢しきれなくなってしまったというか、自暴自棄になってしまいました」 弁護人「今後、再び犯罪をしないためにどうする」 被告人「過去のことは変わらないので、自分が少しでも変われるように福祉の力を借りて、我慢して努力していきたいです」  一方で、検察官は犯行の悪質さを指摘する質問もあった。 検察官「石でできたものに油性のスプレーをかけたら、元通りにならないなとは思わなかった」 被告人「過去に清掃の映像を見たことがあったので、元通りにならないとは思ってもいませんでした」  なかには、「ドロボー呼ばわりは本当なのか」と確認する質問などもあった。

検察官は懲役1年6か月を求刑

 検察官は、本件犯行は落ちにくい油性を選び、まんべんなくしっかりと噴きつけており悪質と指摘。動機も自己の怒りに任せた短絡的なもので、損害額も高額であるのに弁償もみられないとして、実刑を示唆する文言とともに、懲役1年6か月を求刑。  一方で弁護人は、犯行は自身の記憶がフラッシュバックをしてとっさに犯行に及んだと偶発的で計画性がないと弁解し、寛大な処分を求めた。  最後に男は、「今後、同じようなことをしないように、社会で長く生きていけるように努力していきたいなと思っています」と陳述。
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判決の結果は……
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2002年生まれ、都内某私立大に在籍中の現役学生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴にハマり、傍聴歴6年、傍聴総数900件以上。有名事件から万引き事件、民事裁判など幅広く傍聴する雑食系マニア。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行っている。
X(旧ツイッター):@Gakuse_Bocho

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