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日本の中小企業「社長が高齢者だらけ」問題。後継者不足で起こる“思わぬ余波”

M&Aのイメージも改善

M&A

※画像はイメージです

 かつてM&Aは乗っ取りとか言われてイメージが相当に悪かったが、今は後継者対策や成長戦略の目的達成のための手段として、積極的に活用されるようになってきており、中小企業庁もM&Aガイドラインを制定して推奨している。今後もこの流れは続きそうだ。  中小企業白書によるとM&Aに関して、買い手の目的は、売上・市場シェア拡大、新事業展開・異業種への参入、他社事業と自社事業のシナジー効果による価値向上、人材・顧客・取引先や技術・ノウハウの獲得等も強い動機である。中小企業でも買収が成長戦略の実現手段として認識されつつあるようだ。  一方で、中小企業の会社売却の目的は①従業員の雇用の維持、②買収企業とのシナジー効果による会社の成長発展、③後継者対策、④創業者利潤の獲得などだ。社長も今まで会社を支えてくれた従業員・顧客・取引先への感謝の気持ちを大切にし、条件交渉をしなければならない。特に従業員の待遇などへの配慮は重要である。  後継者対策として国も後押しするM&Aだが、買い手企業にダマされてトラブルになっているケースも多いから要注意だ。せっかく築き上げてきた会社と支えてきてくれた取引先、従業員やその家族が犠牲になってしまう。中には買収先の経営には興味がなく保有する現預金だけ吸い上げ、逃げている悪徳企業の存在もあるから、契約の際は慎重にしなければならない。

飲食店の買収は何が目的?

 また、中小企業社長にとって会社売却の知識や経験がないのがほとんどだ。したがって多少の費用は必要だが、M&Aの知見を有する専門家やFA(ファイナンシャル・アドバイザー)などの専門家に間に入ってもらい、円滑な契約していかねばならない。M&A仲介会社に依存しないように、専門家と共に、信用・信頼できる後継企業に譲渡することが必要だ。  飲食店の買収では、買い手の目的は時間を買うということと、実績があるからリスクが低いということが多い。また、有形資産の価値は決算書を見ればわかるが、店の将来価値である無形資産(知的資産含む)は従業員が持っている場合が多い。  熟練調理人など高度な調理技術の属人化、常連様を多く持つベテラン接客員などは一例だが、そういったキーパーソンに支払う価値があるのである。本来なら、ベテランに依存し過ぎるのは運営上のリスクがある。だから、業務の効率化を目的に誰でも同等の調理や接客対応を可能にするため、マニュアル化してスキルの標準化や情報の共有化が必要ではあるものの、ノウハウの移植には時間を要するものだ。  時間を買うということは即時にそういうノウハウを取得できるから時間対効果を考えても得策である。したがって、キーパーソン的な従業員が離職した後の空箱を買わないように配慮が必要だ。
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カリスマ創業者が事業承継を軽視
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飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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