日本の中小企業「社長が高齢者だらけ」問題。後継者不足で起こる“思わぬ余波”
第三者承継で成功した事例も
ある焼肉店の高齢店主が体力・気力ともに低下し、事業継続が困難になった。後継者もおらず廃業をする予定だったが、廃業するには賃借物件をスケルトンにして貸主に返す必要がある。見積りによると相当な廃業コストがかかり、そのお金がなくて悩んでいた。
その話を聞いた知人が、店主に譲り受けたいと申し出た。しかし、その人はやる気はあるが、お金がないといった状態。お互いをよく知っていたので、店主もこのまま引き継いでくれるなら、造作物・厨房機器・什器備品は無償で譲渡するとのことだった。そして、建物の賃貸借契約だけ、別途、賃貸人と締結することになったのである。
通常、焼肉店を開業するなら、焼肉ロースター設置とダクト工事などかなりの初期投資が必要で、坪当たり100万円の投資費用が必要とされる。それが開業後10年を経過しているとはいえ、無償譲渡というのは非常にラッキーで千載一遇のチャンスである。賃貸借契約では、差入れ保証金350万円、賃料36万円、不動産への仲介手数料として1か月分賃料が必要だったが、お金もない経済状態だったため、旧店主は、「自らが差し入れた差入れ保証金をそのまま置いておくから、私に返済して」と賃貸人の了解を得てくれた。
買手と売手の双方にメリットが
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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