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CAたちを“騙し続けた”「悪質な商社マン」の実態を暴露。“東南アジア路線廃止”に追い込んだ男の末路

CAの間で噂されるようになり…

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写真はイメージ

 CAたちは、隼人の巧みなエスコートや話術に気分を良くし、次々と口説き落とされていったようだ。 「味を占めた隼人は、仕事が終わるとホテルに行ってフロント係にチップを渡し、内線電話でCAをナンパし続けていました。これがイケメンなら警戒されるのでしょうが、モテとは程遠い“愛嬌のあるルックス”だから、CAたちも気を許し、安心して親密になったようです。なかには日本に帰っても『来月、またステイが入るから、デートしてね』と、完全にハマったCAもいたみたいですね。隼人自身はバツイチの独身で、決して既婚者には手を出さなかった。結婚をちらつかせる女性には『僕はバツイチだから、君を傷つかせないよう慎重になりたいんだ』と、それとなく距離を置いて遊んでいたようです」  何とも許しがたい女の敵だが、間もなく事態は急展開を迎える。CAたちの間で、隼人のことが噂されるようになったのだ。 「一年も経たずして『私のカレは東南アジア在住の商社マン』というCAが続出したようです。エアラインの客室乗務員室の上司がリサーチすると、同一人物の商社マン、つまり隼人であることが判明したそうで、『同期CAや後輩とも付き合っていたなんて許せない!』とショックを受けるCAがあとを絶たなかったそうで……」

会社に直接クレームが入った結果…

 その結果、エアラインの上層部から隼人が勤める商社にクレームが入ったという。 「そのことが原因かは定かではないんですが、結局、東南アジアのその路線は廃止になりました。もともと数字が取れていなかったのか、もしくはCAたちが『あの路線には二度と乗務しない』と抗議したかはわかりません。ただ、いろいろと話を聞いてみると、僕は隼人が絡んでいることは間違いないと思っています。ほどなくして隼人は日本に異動になったんですが、相変わらず憎めないキャラというか……。そこが彼のすごいところですね」
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伝説の商社マンの「その後の人生」
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元CAの作家。日系CA、オスカープロモーション所属のモデル、六本木のクラブママを経て、2010年に作家デビュー。TVやラジオ、YouTubeでも活動中。
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