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“繊細な18歳女性”が裏垢の世界にハマったワケ。初対面の男性との“大人”も「あまり抵抗感はなかった」

お金だけの性交渉を続けたら「そういう行為が嫌いになりそう」

その後も別の男性たちとパパ活をしたが、二人目以降は食事や初回の顔合わせだけに留め、お金をもらっての性交渉は二度としなかった。 「お茶や食事だけだと、もらえるお金は3000円とか5000円くらいだったけど、興味がない人とお金だけのために性交渉していたら、そのうちそういう行為すべてが楽しめなくなってしまいそうで。もし、ある程度人柄にも惹かれるパパが現れたら、もう一度くらい(性交渉を)してもいいかなと思ったけど、結局そういう人とは出会えませんでした」 もともとは内向的で真面目なタイプの美咲さん。精神的な負担や葛藤も大きかったという。 「パパに対して、ウソをつくとか、演技をすることができなくて。普通にごはんを食べているだけなのに、それなりの金額をもらうのもだんだんと申し訳なくなり。また、私に対してガチ恋っぽくなってしまったパパもいて、その人の好意に自分が乗っかってお金をもらうのはよくないことだと悩んだり……。お金はほしいし、いろんな経験をしてみたいと思う反面、ちょっとしんどいなあと感じることは多かったです」

コロナに罹患した美咲さんに、心ない返信が

そして、2021年3月。緊急事態宣言の真っ只中に、美咲さんがパパ活から完全に離れるきっかけとなった出来事が起こる。 「感染経路は不明なのですが、コロナにかかってしまって。結構症状がひどくて、実家暮らしなのでホテル療養をすることになりました。当時は今よりもみんなコロナに対して過敏だったので、不安も大きく。味覚嗅覚がなくなっていたこともあり、このまま後遺症が残ったらどうしようとか、戦々恐々としていました」 3~4月に会う約束をしていたパパが何人かいたので、全員にキャンセルの連絡を入れた美咲さん。すると、向こうからの返信は……。 「『はーい』とか『わかった~』とか、ひどい人だと『コロナなんて別にかかっても大丈夫だよ(笑)』とか。とにかくみんな、ものすごく軽い感じの連絡しかくれなかったんです。こっちは本当に辛くて怖くて、それでも約束を断るのは申し訳なかったので、精一杯誠実な対応をしたつもりなのに、労いの言葉ひとつないなんて……と。今思えばあまり大したことでもないんですけど、そのときは私自身かなり極限の状態だったので、すごく悲しくなっちゃって」 それ以来すべてのパパと連絡を絶ち、アプリも辞め、いまは気持ちを切り替えて勉強に打ち込んでいるという。 「いまは近所のカフェでバイトをしながら、大学受験に向けて勉強中です。小中学校は不登校で、高校も通信制だったので、家で勉強をしていたとはいえ、やはりほかの学生と比べると後れを取ってしまっており。高校の全範囲を一からやり直しているような状況です。志望大学は今の自分の実力に見合ってない、レベルの高いところだけど、勉強自体は楽しいので。両親も応援してくれているし、ちょっと大変な道のりかもしれないけど、合格を目指して頑張っています」
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パパ活は「自分に向いていなかった」
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1994年生まれ。フリーランスライター兼タレント。ミス東スポ2022グランプリ受賞。東京スポーツ、週刊プレイボーイ、MEN'S NON-NO WEB、bizSPA!フレッシュなどで執筆。隔月刊漫画雑誌「グランドジャンプめちゃ」にて連載中の漫画「スワイプ」の原作も務める

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