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初心者マークの車に“あおり運転”してきたスポーツカーがガードレールに衝突、警察のお世話になるまで

首都高であおり運転を目撃

首都高速の夜景 ある日の夕方、首都高を運転していた熊田祐司さん(仮名・40代)は、目の前の車から、どこか異様な雰囲気が漂っていると感じたそうだ。 「私は前方の車をじっと観察していました。トラックとミニバンが並行して走っており、その後ろをシルバーのセダンがしつこく追い回していたんです」  セダンの運転手は明らかに苛立っており、後ろにいる熊田さんにまでその苛立ちが伝わってきていたという。 「首都高の2車線をトラックとミニバンがぴったりと埋めていました。『セダンに追い抜く隙を与えない』といった状況です。いったい、何が起きているのか……」  セダンは左右に車線変更を繰り返し、どちらかの車が道を譲るのを待ち望んでいるようだったのだが……。 「トラックとミニバンは、意図的なのか、それともただの偶然なのか、まるで息を合わせたかのように並走を続けています。隙間はわずか1メートルあるかないかだったでしょうか。10分ほど、この緊迫した状態が続いていました」  その10分間が、まるで永遠に続くかのような感覚で、熊田さんにとっても非常に長く感じられた。セダンの運転手の焦りや怒りが、熊田さんにも分かったという。

突然のエンジン音に白い煙がもくもく

「そして、ついにそのときがきた」と、熊田さんは振り返る。  セダンのエンジン音が突然、耳をつんざくような高い音を周囲に響き渡らせたのだ。と同時に、白い煙がもくもくと立ち上がった。 「私は、『やっちゃったな……』と思わず呟きました。セダンは速度を落とし、ハザードランプを点滅させて、車を路肩に寄せました。トラックとミニバンは、それを目のあたりにして軽くクラクションを鳴らし、余裕をもってその場を後にしたんです」  どこか勝ち誇ったような感じさえ漂っていたそうだ。熊田さんはその瞬間、思わず笑みを浮かべてしまったとのこと。 「あれだけの時間、必死にあおり続けていたセダンの運転手が、自らの車を壊してしまうという展開は、まさに“因果応報”という言葉そのものでしたね」  熊田さんはセダンが路肩に停まっているのを横目に車を進めた。 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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