更新日:2024年10月22日 18:40
ライフ

「父にカッターで顔を切られた」女性が全身に刺青を入れた理由「辛い過去を“乗り越える”意味がある」

口座のお金を勝手に使っていることを咎めたら…

「あるとき、その男女が、私の口座からお金を勝手に使用していたことがわかったんです。そのお金は、児童養護施設のほうで私名義の口座に貯めてくれていた児童手当やお小遣いでした。そのことを咎めたところ、暴言や暴力がエスカレートしました。女からは『産まなきゃよかった』『殺してやる』と日常的に怒鳴られました。男からは、暴力を受けましたが、カッターで顔につけられた切り傷のあとは、今も残っています。またその男からは、性暴力も受けました。思い返したくもないのですが、その男との交わりが私の初体験だったんです。抵抗したときに性器を切られてしまい、今でもあまりそうした行為は積極的になれません」  その男女との悲惨な共同生活は、こんな形で幕を閉じた。 「彼らは第三者がいれば、何もしてきません。私はなるべく暴力を振るわれないように、その家に友だちを呼ぶなどしていました。しかしその男女は外面がいいため、多くの友だちは『あんなに優しくていい人そうなのに。嘘でしょ(笑)』という感じでした。救ってくれたのは、親友とその親です。携帯電話で親友と通話状態にしておいて、虐待の様子を聞いていてもらったんです。そしてある日、親友とその親に突入をしてもらいました。そこから、また施設へ保護してもらいました」

左耳の聴力がなくなってしまった出来事

るいるいさん

妊娠が発覚し、結婚することになったが…

 ここまででも目を背けたくなるが、ある男性との交際・結婚をきっかけに、るいるいさんの人生はさらに下降を始める。 「勤務していたマッサージ店の経営者と交際中、妊娠しました。結婚することになりましたが、怒りの沸点が異様に低い男性で、たびたび暴力を受けました。首を絞められたり、タバコを向けてきて『焼くぞ』なんて脅すのも、普通にありました」  たとえば、こんな些末なことで不条理な暴力を受けたという。 「ご飯を作りすぎてしまったときは、『食費が無駄だろうが』と言ってひっくり返され、殴られました。『ひっくり返すのが無駄じゃない』と抗議をすると、追撃がきます。とにかく話の通じる人ではないんです。またあるときは、友人と遊ぶ約束をしていたのですが、突然『遊ぶな』と言い出しました。でも友人はもう自宅まで迎えに来てくれていて。そうしたら、激昂した彼に張り手をされ、私は意識が飛びました。気がつけば救急車を呼ぶ事態になっていて。その影響で、現在でも私は左耳の聴力がありません」
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妊娠中に「洗剤を無理矢理飲まされた」
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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