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八百屋バイトが「年収4千万円ホスト」になれたワケ。バイト経験が“ホスト成功のカギ”に

八百屋を経験して手に入れたもの

ホスト

ホストになり、誕生日の時に作った記念オリジナルシャンパンのラベル。ブロッコリーに囲まれた夏葵さんという構図が実にお茶目である

 過酷な八百屋と華やかなホスト。見た目も業務内容も全く異なる仕事ではあるが、果たして八百屋時代の経験は今の仕事にどのような形で役立っているのだろうか。 「一番はメンタル面ですね。八百屋での辛さを考えたら、今の仕事は一ミリも辛いと思わないので挫けることはありません。八百屋時代、部長と呼ばれていた気性の荒い上司の方がいて、毎日のように怒鳴られたので、怖いな、辞めたいなって思ったことが何度もありました。でも、その人には社会での生き方も教わり、今では一番好きな人になっていて、たまに飲みに行ったりもしています。もう、人生の先生みたいな存在ですね」  八百屋の仕事を経験したことでメンタル面が鍛えられたという夏葵さん。さらに、働いていたお店ならではの環境もプラスに作用しているそうだ。 「自分が働いていたのは個人経営のいわゆる『町の八百屋さん』で、すごく安いお店でした。だから、飲食店関係の方もよく利用していて、顔見知りの常連さんも多く、コミュニケーションを取る機会がたくさんあったので、それも今の仕事に役立っているとは思います」

今の仕事で一番大事にしていること

 現在、デビュー2年目にして年収4,000万円、さらに他のプレイヤーを仕切る「支配人」にまで登りつめている夏葵さん。そこで、この仕事で成功するためには何が一番大事なのか聞いてみた。 「ホストってメンタル勝負なところがある仕事なんです。デビューして最初にぶつかる壁が売上。単純に売上が上がらなくて辞めちゃう。その後に来るのが、女の子との人間関係で病む、ひどくなるとうつ病になって辞めちゃう。それらの壁を乗り越えるには『ぶれない心』が一番必要ですね。自分の中でしっかりとした軸を持って、何があっても周りに左右されない。これがあれば、多少辛いことがあっても挫けないで続けられると思います。自分は、八百屋での経験があったのでそれを得られました」  また、ホストという特殊な仕事だけに、日頃から常に意識していることもあるという。 「過酷なうえに給料も安い八百屋を経験したことで、お金を稼ぐことの大変さを知りました。お客さんは、そんな貴重なお金を使うわけですから、常に誠実に対応しないといけない。特にホストはモノを提供するわけではなく、形のない『楽しい時間』を提供する仕事なので、目に見えない分、全力で向き合わないといけません。なので、来ていただいたお客さんに対しては『絶対に楽しませる』、という意識を持ってやっています」
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母親とホストの息子の絆
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パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。
X(旧Twitter):@sagyosakurai

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