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八百屋バイトが「年収4千万円ホスト」になれたワケ。バイト経験が“ホスト成功のカギ”に

子供に“一人の人間”として向き合う母親

ホスト

「あの人はいろんな意味でモンスターですね(笑)」と言いつつも、「母親への感謝の気持ちは決して忘れない」と語っていた

 24歳で夏葵さんを産んだ蝶野さんは、諸々の事情で結婚はせず、シングルマザーとして女手一つで育て上げた。幼少期の夏葵さんから見た蝶野さんはどんな母親だったのだろうか。 「子供の頃から説教の仕方が理詰めでしたね。子供って感情で動くじゃないですか。それを『なんでそうした? なんでそう思った?』って。当然、理屈なんてないから何も言えずに『ごめんなさい』って謝ると、『なんでごめんなさいなの?』みたいな。子供の俺に何を言ってるんだ、この人は? って当時は思っていました」  子供の頃にはわからなかった母親の言動も、大人になった今なら理解でき、それも全ては自分の為だったと感じているという。 「今にして思えば『頭を使う』、『考える』クセをつけさせようとしていたのかなと感じています。自分が何か悪いことをしても、決して頭ごなしに𠮟りつけるのではなく、良く言えば『話し合い』、悪く言うと『取り調べ』みたいでしたから(笑)。でも、それが自分なりに考えるきっかけになっていたのは事実だし、子供であっても一人の人間として向き合ってくれていたのは嬉しいことです。今の自分があるのは母親のおかげなので、ホントに感謝しています」

なるべくしてなった今の立ち位置

 八百屋の仕事で鋼のメンタルを手に入れ、お金を稼ぐ大変さを知る。そして、水商売をするうえで何が重要か、自分は何を求められ、何を提供できるかを常に考えている夏葵さん。若くして人気ホストに急成長したのは、決して運や偶然ではないだろう。  売掛金を巡るトラブルが社会問題となり、世間の風当たりが強くなったホスト業界。なかには悪質なホストが存在するのも事実だが、自分の役割をしっかりと理解し真摯に向き合っている人もいるのである。 取材・文/サ行桜井
パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。
X(旧Twitter):@sagyosakurai
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