八天堂が「くりーむパン」を看板商品に選んだワケ。“倒産危機”から“売上10倍”までの道のり
日本人の嗜好に合わせた「くちどけ×クリームパン」を開発
三代目の社長は、未来の「八天堂の看板商品」について悩み続けた。
メロンパンやクリームパン、ジャムパン、あんぱん、クロワッサン、食パン──。パン屋に並ぶ人気商品、いわゆる“スタンダード”なパンに対して、何か“スタンダード”な要素を加えれば、新しい“イノベーション”が生まれるはずだと考えた。
またこの開発をきっかけに、東京進出を決めていた同社。一流ベーカリーが多く、おいしいパンも数え切れないほど多い東京に対し、広島からの輸送が前提となるため「冷めても美味しいパン」であることが条件となった。
さらに様々な試作を行う中たどり着いたのが「くちどけ」というキーワード。「くちどけ」は日本人の食の嗜好の一つ。当時“くちどけの良いパン”と呼ばれるものは存在しなかったが、クリームパンであれば、それが叶えられるかもしれないと考えた。
「『くちどけ』を実現するためには、生クリームを使用することが必要でした。ただその場合は冷蔵保管が必要であり、なおかつ焼き上げる前にクリームを包むと、焼成時に溶けだしてしまう。
そこで、焼き上げた後にクリームを入れることができる“くちどけの良い”配合のパン生地の開発、焼き上げたパンにクリームを入れる方法をかなり模索しました」
和洋菓子屋時代の人気商品がヒントに
広島生まれ、東京在住のライター。早稲田大学文化構想学部卒。趣味で不定期で活動するぜんざい屋を営んでいる。関心領域はビジネスと食、特に甘いものには目がない。X(旧Twitter):@fujikawaHaruka
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