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「女子高生コンクリート詰め事件」実行犯の死亡で再注目。36年後の綾瀬に残る“事件の爪痕”

遺体の入ったドラム缶が発見された場所の現在

 筆者は別日に、少年らの地元である足立区綾瀬にも訪れた。
綾瀬駅

現在の綾瀬駅前/2024年2月27日撮影

 夜の綾瀬駅周辺は、少年らがたむろしている様子もなく、いたって平穏だ。  Cの家があった北綾瀬周辺は再開発が進み、当時の報道写真とは大きく変わっている箇所もあった。 「今の北綾瀬は、千代田線で代々木上原などに直通できるようになって、穴場な街として注目されているらしいです。ただ、環七(都道環状七号線)から一本入ると、当時と変わらない暗い感じの住宅地がそのままだったりしますが……」(地元住民)
綾瀬駅

事件後、遺体の入ったドラム缶が発見された、東京・若洲の現場近く。事件当時と変わらず、広大な空き地が残っている/2023年2月18日撮影

 Cの家のすぐ近くで少年らがたむろしていた公園は、今もそのまま残っている。Cの家は、事件の数年後に取り壊され、今は別の所有者になっている。  ただ、少年らがCの両親に気づかれないようにと電柱を登ってCの部屋のベランダへと行き来していたという、その電柱は当時から変わらないまま事件の面影を残していた。

裁判長が少年4人に残した言葉

 当時の報道で「我が国の少年犯罪史上最悪な事件」といわれた、この事件も風化は著しい。  裁判で閉廷直前に、裁判長は少年4人に対して、「事件をそれぞれの人生の宿題として、考え続けてください」と説諭したというが、果たしてその言葉の重みを少年らは理解していたのだろうか。 文/学生傍聴人
2002年生まれ、都内某私立大に在籍中の現役学生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴にハマり、傍聴歴6年、傍聴総数1000件以上。有名事件から万引き事件、民事裁判など幅広く傍聴する雑食系マニア。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行っている。
X(旧ツイッター):@Gakuse_Bocho
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