エンタメ

「あえて自分から孤独になろうと」キャリア重ねた48歳、滝藤賢一が「苦しまないといけない」と語る理由

いつも台本に書いていた言葉「逃げない。言い訳しない」

台本に書いていた言葉――本編には「才能があれば成功する」「そうとは限らない」といったやりとりが出てきます。 滝藤:核心を突いてますよね。僕もそう思って生きてきました。理不尽さというのは、別にこの世界に入ったからじゃなくて、子どもの頃から感じてました。 小学生の時だって、先生が可愛がる生徒と、可愛がらない生徒がいたし、不公平さ理不尽さというのは、常にどの世界においても昔からあると思うんです。 僕なんかあまりの理不尽に陰で文句言ってひねくれまくってましたから。ただ節目節目でそうした経験があったからこそ、自分に足りないモノ、必要なモノを考えるようになりました。 無名塾に入ってから何年間か、毎回台本の最初に「逃げない。言い訳しない」なんて書いていましたね。 ※無名塾……俳優の仲代達矢さん主催の俳優養成所。滝藤さんは1998年から2007年まで所属した。同期に真木よう子さんがいる ――誰に言われたわけでなく、ですか? 滝藤:誰も教えてくれないですよ、そんなこと。だからまずは、誰かのせいにしない、全ては自分との闘いだと。分かっていたってできないんですけどね。

俳優を続けられたのは自信があったからじゃない

俳優を続けられた理由

(C)2012柚木麻子/新潮社 (C) 2024「私にふさわしいホテル」製作委員会

――そうですね。難しいです。 滝藤:世の中のほとんどの人が不公平さや理不尽さを感じています。でも、そんなの当たり前。その中でどうやって生きていくかというのは、人それぞれでしょうから、なんとも言えないけれど僕の場合は「このままではダメだ!」と思って、「逃げない!」と自分に課しました。でも逃げるんですよ。今でも嫌なことから逃げたくなりますから。 ――本作の加代子は、自分の才能には絶対の自信を持っているのが伝わってきて強いです。 滝藤:すごいよね。 ――滝藤さんも、俳優に関してはずっと続けてきたのは、自分への期待や自信を持ち続けられたからでしょうか。 滝藤:自信があったのは無名塾に受かった時まで。「やったぜ、これで映画スターだ」と思ってました。入塾してからは、もうボッキボキに折られました。ひと言しゃべったら「ちゃんとした日本語をしゃべりなさい」、一歩踏み出したら「ちゃんと歩きなさい」という毎日ですから。
次のページ
ある意味目立つ芝居をすることも大事
1
2
3
4
(C)2012柚木麻子/新潮社 (C) 2024「私にふさわしいホテル」製作委員会
『私にふさわしいホテル』は全国公開中
公式サイト https://watahote-movie.com/

【チェキプレゼント】
滝藤賢一さんのサイン入りチェキを1名様にプレゼント
〆切:2025年1月24日
①「週刊SPA!・日刊SPA!」ツイッターアカウント(@weekly_SPA)をフォロー
②プレゼント告知の投稿をRT→応募完了
おすすめ記事