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「あえて自分から孤独になろうと」キャリア重ねた48歳、滝藤賢一が「苦しまないといけない」と語る理由

世に出れば出るほど、失っていくものも

世に出るほど失っていくもの――分からない。売れることが正しいかどうか、ですか? 滝藤:いや、僕、別にそんなすごい売れてるというわけじゃないです。ただ世の中の方に知ってもらうことに関しては、たとえば世に出れば出るほど、物語でのキャラクター以外のものもどうしても見えてくる。俳優の私生活や趣味など、余計な情報がよぎると思うんです。 ――滝藤さんが出ている作品だから見たいと思う人はいると思いますが、作品を観ている最中にそんなことはよぎらないと思いますが。 滝藤:そうですよね。そういう時代ですよね。僕の考え方が古いんです(笑)。自分でも分かってるんですが。世の中の方に知っていただければいただけるだけ、失っていくものも多いのかなと。俳優としての危機感を感じてしまいます。

俳優は「孤独」。一生、苦しまないといけない

――キャリアを重ねてきて、俳優としての心境に変化はありますか? 滝藤:本木(雅弘)さんと共演したとき、感じるものがありました。 ――『友情〜平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」〜』(テレビ朝日)ですね。 滝藤:本木さんが、めちゃくちゃ苦しんでいるように見えました。本番直前まで、考えて考えて、本番が終わってもずっと苦しんでいる。その“姿”を、隠さない。唯一無二の素晴らしい俳優さんなのに、こんなに苦しんで役を生きている。 「もっと苦しんで、もっと自分を疑って、やるべきことを探さないといけないんじゃないか」と、本木さんの背中を見て教わりました。俳優というのは孤独なんだと、孤独でいなければならないと尊敬する先輩達を見て感じます。 ――孤独。 滝藤:正解のない世界で正解を模索していくわけだから、一生苦しむと思います。「生涯、修行だ」と、仲代さんもおっしゃってました。だから苦しまないといけないんです。 ――いまはそれがより深まっている感じなのでしょうか。 滝藤:そうですね。『虎に翼』の多岐川もターニングポイントになりました。あえて自分から孤独になろうとしましたし、今までになく苦しみました。 これは別に俳優という職業だけじゃなくて、すべての職業に共通しているように思います。周りは関係ないんです。自分との闘いなんです。なんて自分に言い聞かせながら、路頭に迷っています(笑)。 <取材・文・撮影/望月ふみ>
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