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「貧乏に苦しむのは自分までにしたかった」“世帯年収300万円台の家庭”から東大合格した学生が“受験の意味”を語る

貧乏に苦しむのは自分の世代までにしたかった

東京大学「東大or高卒」をかけた勝負の一年がこの状況。「もう自分には無理かもしれない」とあきらめる人もいるでしょう。ですが、私が諦めなかったのは、父が発したこの一言のおかげでした。 「貧乏に苦しむのは、俺たちの世代までにする。こっちは何とかするから、お前は自分の人生を生きろ」  こんなに色々大変なのは、貧乏だからです。そしてなぜ貧乏かと言えば、貧困の連鎖が続いているから。祖父母は事業を立ち上げたけれど、失敗して数億にも及ぶ莫大な借金を負った。  父と母は、借金取りから逃げる生活を強いられ、まともに学歴競争に参加できなかった。自分が高卒のまま働いて、成功すればいいけれど、うまくいかないかもしれない。  日本は学歴社会です。いい大学に行くほど、収入が増えやすい。「中卒・高卒だけど東大卒より高収入」なんて、ごくごく一握りだけで、平均をとれば大卒のほうが高収入になる可能性は高い。  もし自分が成功できなければ、今度は自分の子どもにも、大変な生活を強いてしまうかもしれない。  それは、確かに嫌だな、と思いました。貧乏に苦しむのは、自分の世代までにしたい。そして、そのためには、今頑張って大学受験して、いい大学に行った方がいい。  その言葉に共感して、何があっても腐らずに頑張り続け、なんとか東大に合格できました。  後から知りましたが、両親は私の受験のために、消費者金融からお金を借りて受験費用を捻出していたそうです。自分のためにそこまでしてくれる親でよかったと本気で思います。

受験が人を変えることもある

 そんな受験経験がありますから、人生を逆転させる手段として、「受験」をより多くの人に有効活用してもらいたいと願い、今では講師として教壇に立たせていただいております。  これ以外の人生を否定するわけではありません。どんな人生があってもいい。別に高学歴だから人生薔薇色とは限りませんし、高卒で働きに出ても、案外幸せだったかもしれない。でも、結婚するとか子どもを作るとかは難しかったかもしれない。  どんなに言葉と態度で取り繕っても、貧乏はハンデですから。  たかが大学受験。ほとんどの場合、成功しても失敗しても、人生は大して変化しない。でも、「受験が人を変えることもある」ことは、ぜひ多くの人に知っていただきたいと思います。
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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