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日銀の利上げ決定で住宅ローン、銀行預金はどうすべき?金利引き上げで「損しない方法」をFPが解説

金利とはあくまで「貸し借りの手数料」

では、銀行預金は「普通預金」と「定期預金」がありますが、定期預金のほうが利息を高く設定されているのはなぜだと思いますか? それは、「決められた期間はお金を引き出せない」からです。普通預金の場合、預けた人が引き出しを求めれば銀行はすぐ応じなければいけません。一方、定期預金は急な引き出しに応じない分、銀行としては「長く他の人に貸し出せる資金」が手に入ることになります。だから銀行は「制限を課す分、普通預金よりも高い金利をつけます」と条件をつけているのです。 このように、金利とはあくまで「貸し借りの際の手数料」でしかありません。その構図は日銀の利上げでも同じです。一口に利上げと言っても、実際にはどのようなメカニズムで我々に影響を及ぼすのか、きちんと説明できる人は少ないです。ここで改めて振り返ってみましょう。

日銀の利上げがどのように我々に影響を及ぼすのか

まず、日銀が利上げをする際に操作するのは、現状の政策金利の誘導目標である「無担保コール翌日物金利」というもの。これは銀行と銀行が貸し借りをする際の金利を指します。この「無担保コール翌日物金利」が上がると、同時に、主に銀行が企業に短い期間でお金を貸す際の金利である「短期プライムレート」にも影響が出ます。さらに「短期プライムレート」は住宅ローンの変動金利タイプと連動するので、各行が引き上げの動きを見せているんです。 つまり利上げとは、日銀が大元になる「無担保コール翌日物金利」を上げたことによって、連鎖的にほかの金利も上がっていく現象のことです。ある貸し借りの金利が上がれば、それに続く貸し借りの金利も上がる……といった具合に、時間差で徐々に影響が広まります。
短期集中連載 知らないと損する「金利」最新事情

日銀の利上げが我々に届く流れ

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「政策金利1%」に今から備えておく
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ファイナンシャルリサーチ代表。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。その後、1996年に独立し、現在の有限会社ファイナンシャルリサーチは2社目の起業。FP業界歴35年(2024年10月現在)を誇り、そのキャリアを通じて日本経済の浮沈を見守ってきた。メディア出演やセミナーを通じて、資産運用や住宅ローン、生命保険、税金、年金など幅広く「お金の知識」を発信している。著書『金利で損しない方法、教えてください!人気FPが教える金利上昇時代の「お金の新ルール」
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