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「5人の妻と共同生活」“勝手に一夫多妻”を実践する42歳男性の価値観「『養ってください』というDMが、月に何十件も…」

「この人には幸せになってほしい」と思えるのが大事

長原さん奥さんが5人いると、やはり「第一夫人」「第二夫人」……と、優先順位をつけるのだろうか。 「つけません。今は奥さんは5人いますが、平等に扱っています。育児が得意な子は育児、料理が得意な子は料理と、みんなで平等に役割も分担していますしね。 それぞれの奥さんの個性や得意分野を尊重して、無理のない形で生活できるように気をつけています。『母親が一人で子どもを育てる』ということはないから、『孤育て』という意味でのストレスはないんじゃないかな」 気になるのは、奥さん同士の関係性だ。嫉妬やトラブルは起きないのだろうか。 「もちろん、ありますよ。でも、みんな大人ですからね。話し合えば解決できます。奥さんと2人だけでデートして、コミュニケーションは密に取るようにしています」 一体、どんな女性が長原さんの奥さんの座を勝ち取れるのか。超富裕層だけに、『絶世の美女』を思い浮かべるが……。 「顔は全く関係ないですね。外見よりも内面を重視しています。どんなにかわいい子でも、性格が合わないと、一緒にいて苦痛ですから。優しさを相手に感じられないと、アウト。お互い『この人には幸せになってほしいな』と思えないと、うまくいきません。 惹かれるのは、愛情深く、思いやりのある女性ですね。僕に尽くしてくれて、大事にしてくれる子が好きです。そういう子は『お金くれ』とか言ってこないですよ(笑)。僕のことを大事にしてくれて、その結果、お金をあげる……っていう流れならいいですけどね」 現在、一緒に暮らしている子どもは9人。養子など、様々な事情によって同居していない子を含めると、10人を超えているそうだ。 日本の法律では、もし父親が「認知」(※法律上の婚姻関係にない男女間に生まれた子について、父が自分の子であると認めること)すれば、法律上も親子関係が認められて、嫡出子と同じように扶養や相続を受ける権利などを有することができる。 子どもたちとの権利関係は、どうしているのだろうか。 「相手とよく相談をして、最もいい選択をするようにしています。認知をしたこともあるし、奥さんを養子にして生まれた子を“孫”にしたこともあります。たまに『子どもだけ欲しい』と言ってくる女性もいますが、その場合はもちろん認知どころか相手にしません(笑)」 これから先も、子どもが増える予定はあるのだろうか。 「僕は43歳になるので、もう次で最後かなと思っています。資産的なことは問題ないんですけど、親子で年が離れすぎてしまうのが、僕はあまり好きじゃないので。 今は子どもを増やすことよりも、奥さん達に稼ぐ力を身につけてもらうように頑張っています。奥さんのうち4人は既に世の中の平均年収を超えていますが、もっと稼げる力を身につけてほしい。僕が死んだときに、本人たちで稼いでいかないといけないですから」 長原さんは「あとは、単純に早く子育てから解放されたいです(苦笑)」と補足する。 「ほぼ毎週末、子どもたちと一緒に出かけています。でも僕にとっては、批判を受けるかもしれませんが、『子どもか奥さんかどっちが大事か』と聞かれたら、奥さんなんですよ。 今はまだ子どもが小さいから難しいですが、ゆくゆくは子どもよりも奥さんといる時間の方を長くしていきたいですね。最終的には全員に捨てられて、一人で死ぬかもしれないですけど(笑)」

「時間差の“多夫多妻”」とは?

長原さん長原さんは、現代の日本を「時間差の“多夫多妻”」と表現する。 「A男さんがB子さんと結婚して、子どもが生まれた後に、B子さんと別れたとします。そしてC子さんと再婚して、また子どもが生まれたとします。B子さんも別の男性と結婚して、子どもを産む。 こういう話って、よく聞きますよね。日本では宗教上でも法律上の縛りもあまりないから、自由に離婚して、再婚して、再婚相手との子どもを割と簡単に産めるんです。これって奥さんや旦那さんがスライドしているだけじゃないですか。つまり、時間差の“多夫多妻”なんです。 やっぱり女性は本能的に新しいパートナーの子どもを産みたい、つまり別の男性との子どもを産みたい、という欲があるんじゃないのかなと思ってます」 「もちろん産まない選択肢をする女性も差別をするつもりはないし、気持ちもわかりますけど……」と断った上で、長原さんは続けた。 「僕が一夫多妻を続けているのは、日本は子どもを増やさなきゃいけないと考えているのもあります。なぜなら、少子化が進むと税収が下がって、移民を受け入れるしかないわけですよね。これって経済の縮小や社会保障制度の崩壊に繋がる、深刻な問題なんです。 だから、高齢者にばらまいているお金を、今すぐ子どもに向けるべきなんです。子どもが生まれたら一律2000万円~3000万円を配ってもいいくらい。その時は政府の懐が痛んでも、その子が生涯3億円稼いでくれれば、1億円の税収になりますよね。5000万円くらい福祉にお金がかかったとしても、子どもはじゃんじゃん生まれるべきなんです」 自身の将来について尋ねると、 「自分が表に出ないようにして、静かに暮らしたい」 と話す。 「僕はどんなに頑張っても、年間10億円しか稼げません。経費と税金を引くと、年間で貯金できるのは2億円くらい。20年働いても40億円にしかなりません。それなら、遊びながら年間1億円~2億円だけ稼いで、家族との時間を大切にしたいですね」 限界までお金を稼ぐ、という超富裕層から連想される価値観とは異なる。「歴史に名を残す」という目標もないのだろうか。 「ありません。僕の名前を残すとか、銅像を建てるとか、全く興味がないですね。お墓すら家族には『建てなくていいよ』と言っています。子孫にまで迷惑かけたくないですしね。 頭の片隅で、ふとした瞬間に『あぁ。昔、こういうおじいちゃんがいたな』と思い出してくれれば十分です。そもそも、お墓参りの時にしか思い出せないなんて、おかしいですよ(笑)」 ――残したいのは、お金でも名声でもなく、家族との温かい思い出。彼の価値観は、私たちに多くの問いを投げかける。 <取材・文/綾部まと>
―[超富裕層の生活]―
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother
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