ライフ

「歯が痛くて夜も眠れない」“歯が突然痛くなる”原因と対処法

原因③:無意識の食いしばりや歯ぎしり「歯にヒビが入って」

ヒビ

歯に大きなヒビがみられる

夜間の睡眠中の歯ぎしり・食いしばり、昼間のストレスからくる食いしばりなど、無意識のうちに歯に過剰な負担をかけて、歯にヒビが入ってしまうことがあります。 ヒビが歯の表面のみに留まっている場合は痛みが出ないのですが、歯の内側にまで及んでしまうと激しい痛みが出ることがあります。本来、定期的な検診を受けていると、歯のすり減り具合から、無意識の食いしばりや歯ぎしりに歯科医師が気が付き、マウスピースの作成や、日中気を付けてもらうなどの対策が打てるものですが、なかなか自分では気が付きにくいと思います。 ヒビで痛みが出た場合には早急に歯科医院に受診してください。鎮痛剤で一時的に痛みをしのぐことはできるかもしれませんが、放置する時間が長いほど、歯が破折するリスクが高まります。

原因④:歯が磨きにくい親知らず「周りに炎症が起きて」

親知らず

親知らずが生えかけており歯茎が腫れている

親知らずはとても磨きにくく、歯の磨き残しが慢性的に起こりやすいです。そのため歯茎に炎症が起こり、激しい痛みを起こすことがあります。特に、横向きに生えている親知らずや、頭が少ししか出ていないような親知らずでは磨きにくく炎症が起こりやすいです。 歯科医院にすぐに行けない場合は、歯周病の痛みに対する方法と同様に、痛い歯を清潔に保ち、鎮痛剤を服用して、殺菌成分のあるうがい薬を使ってみてください。すぐに歯が抜ける状況ではなくとも、ひとまず炎症を鎮めるために対処療法も行えるため、なるべく早い受診で痛みを取り、その後は抜歯を検討・相談していくのがいいと思います。

歯が急に痛くなるのを防ぐことはできない?

急に生じる歯の痛みを避けるには、普段から定期的な検診を受けることがやはり重要です。初期のむし歯、歯周病の進行状態、歯のすり減り、親知らずの状態確認などを歯科医院と共有し、予防対策を講じることで急に起こる歯の痛みを防ぐことができると思います。 また、毎日のオーラルケアも重要です。お口の中の細菌を普段の歯磨きでしっかりと減らしておくことで、痛みを生じるような歯のトラブルは防げることが多いのです。 <文/野尻真里>
一般診療と訪問診療を行いながら、予防歯科の啓発・普及に取り組んでいる歯科医師です。「一生涯、生まれ持った自分の歯で健康にかつ笑顔で暮らせる社会の実現」を目標にメディアで発信をしています。X(旧Twitter):@nojirimari
1
2
おすすめ記事