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満員電車で女性の肩を“枕代わり”に爆睡。マナー違反に遭遇しても「怖くて声をあげられない」現実

肩を枕代わりにする見ず知らずの男性

吊り革・電車 菅田洋子さん(仮名・20代)は、上京してすぐに体験した衝撃的な出来事について教えてくれた。 「朝のラッシュ時間帯に、私はいつものように出社時間が同じの友人と電車に乗りました。車両は乗客で溢れていて、すし詰め状態でしたね」  電車のドアが閉まると、菅田さんの周りには知らない人たちばかり。ちょっとした密室のような圧迫感に包まれた。友人とはアイコンタクトで「混みすぎだろ」とやり取りをしながら、目的の駅まで乗っていたという。すると突然、肩のあたりに違和感を抱いた。 「友人がふざけて手か顔を乗せているのかと思いました。でも振り返ると、見知らぬ男性が、“まるで自分の枕かのように”私の肩にあごを乗せていたんです」  はじめは、「疲れているんだろうな……」と笑いそうになりながら、友人と目を合わせていたのだが、菅田さんの肩を枕代わりにする行為に、「あまりにも勝手すぎる」と次第に怒りが湧いてきたそうだ。 「いつまで顔を乗せているのかイライラしてきて、そのままじっと耐えるわけにはいきませんでした」

「この状態が40分も続くのか?」イライラが募る

 何度か肩をすくめてみた菅田さん。しかし、男性は気にしない様子だった。 「だんだん不快感と男性特有の汗っぽい臭いが増していきました。『この状態が40分も続くのか?』と考えると、突き飛ばしたくなる思いでした」  男性の頭が徐々に菅田さんから離れていくことを期待したが、肩にあごを乗せたまま微動だにしなかったという。しばらくして、周りの人たちが少しずつ動き出したのだが、菅田さんの心の中では苦痛が続いていた。しかし、次の瞬間……。 「男性が動くと同時に、私の体が押されてしまったんです。駅に着いてドアが開いた瞬間に、男性は私を押しのけるようにして降りました。私は思わず舌打ちをしましたね」  漫画やドラマであれば、声をかけて“物申す”ところだと思うが、現実は怖さもあり、そうはいかないと菅田さんは振り返る。 「友人に、『何だよ、あいつ』と愚痴をこぼすことしかできませんでした」  菅田さんは、知らない人のあごが肩に乗るという、まさに信じがたい体験をした。 「これも、朝の通勤ラッシュの一部なのでしょうか……」 ——電車では個人のマナーが大いに問われる。だが、不快に感じても声をあげにくい空気があるのは事実だ。自分の何気ない行動が周囲の迷惑になっていないか、あらためて意識する必要があるだろう。 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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