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10年前に自宅のトイレで首を吊った56歳男性の今。難病を発症、余命宣告によって「気が楽に」

「次に目覚めたときは、病院のベッドの上でした」

[自殺に失敗した人]が生きる人生

移動用の酸素ボンベ専用キャリー。ボンベが1本入り、2時間程度はもつ。入浴時や、停電時に活用される

「次に目覚めたときは、病院のベッドの上でした」  朦朧とした状態で、トイレのドアノブに引っかけたLANケーブルを首にくくりつけた。妻子に心肺停止の状態で発見されたが運よく後遺症は残らなかった。1カ月ほど入院したのち、帰宅を果たした。 「死ぬつもりなんてなかったんです。魔が差すという言葉通り、一瞬の隙に死に神が入り込んだんです」

難病を発症、余命宣告によって「気が楽に」

 退院後、妻とは関係を修復できずに離婚。子供たちは成人し、今ではほぼ絶縁状態だ。 「家族が崩壊し、私は一人になりました。それでも知り合いのツテで、理容師の仕事を紹介してもらい、人生を立て直そうとした。しかしその矢先に、難病を発症。余命はあと2年。酸素を作り出す機械がなければ生きていけません。でも終わりが見えているから、自殺しないで済む。だいぶ気が楽ですよ」  死ぬために、今を生きる。部屋には、命を繫ぐための酸素の音が、静かに響いていた。 ▶︎不安・悩みを抱える人の相談窓口 【インターネット】「まもろうよこころ」で検索 【電話】「#いのちSOS」0120-061-338 「よりそいホットライン」0120-279-338 取材・文/週刊SPA!編集部
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