エンタメ

“57歳クズ芸人”が『ザ・ノンフィクション』で話題。弟子が語る、“意外な”素顔「借金は2年以内に必ず返済」

総額で「200万〜300万円」貸したが、2年以内に必ず返済

魔法使い太郎ちゃん

魔法使い太郎ちゃん

――『ザ・ノンフィクション』を拝聴したかぎり、ルーズな人だと思っていたので、衝撃です。 太郎:もちろん遅刻をする、借金をする、という点ではあの放送のまんまです。ただ、たとえば師匠と待ち合わせをするとします。そのときは「必ず何かボケながら登場しろ」と(笑)。師匠のご自宅に伺ってインターホンを押すときも、ひとボケ必要です。常に試されているので、弟子は何かしら考えておく必要があります。 ――ちなみにどんなボケで応えたのでしょうか? 太郎:一例ですが、相撲取りの格好をして電柱にひたすら張り手をしたり(笑)。路上で本を売りながら待っていたこともありますね。ちなみに、ボケがつまらないと、写真を撮られて戒められます(笑)。 ――スパルタですね(笑)。その一方で、小堀さんは弟子である太郎ちゃんさんにもお金を借りていますよね。 太郎:はい、これまで総額で200万〜300万円くらいは貸しているでしょうね。でも小堀師匠は義理堅くて、2年以内には必ず返済されるんです。たまに、現金を貸したのに図書カードで返ってきたりしますが(笑)。

お笑いよりも、お金についての処世術を教わった

――小堀さんに困らされたことはありますか? 太郎:実はそこまですぐに思い浮かぶことはないんですよね。つらかったのは、いきなり朝5時くらいに電話がきて、小堀師匠の自宅近くのスロットを一緒に打ちたいから来いと言われたことでしょうか。仮に私が勝っても、勝ち分は小堀師匠に上納しなくてはいけなくて(笑)。逆に小堀師匠が勝ったときはご飯をご馳走してくれます。意外と理不尽なことはないんですよ。 ――世の中ではそれを理不尽と呼ぶと思いますが(笑)。反対に、弟子をやっていてよかったと思うことはありますか? 太郎:ガッポリ建設は芸人から愛される芸人なんです。だからいろんな芸人仲間から「ガッポリの弟子か」と可愛がってもらえたことです。そのなかにどんどん売れていった芸人さんもたくさんいて、人脈が生きる場面も多く、助けてもらいました。当時、私の収入は営業によって支えられていました。経済的にそこまで不自由しなかったのは、売れている芸人さんからいただける仕事によるところが多かったですね。 ――弟子として、小堀さんから教えてもらったことはどのようなことでしょうか? 太郎:お笑いのテクニカルな部分は実はあまりないんですよね(笑)。でもそれ以外の、お金についての処世術みたいなものは教わりました。社長さんと飲んでお車代をいただく“ギャラ飲み”も、「本当にタクシーに乗って帰るなよ。近ければ歩け」とか「無理に乗せられても、角を曲がったら降りて歩くんだぞ」とか(笑)。
次のページ
『ザ・ノンフィクション』の反響は…
1
2
3
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

記事一覧へ
おすすめ記事