更新日:2025年02月13日 20:44
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「ネタとして消費することに疑問を抱けない」幼稚さの正体。人気YouTuber中町兄妹、道路陥没事故めぐる発言が大炎上

「ネタとして消費することに疑問を抱けない」幼稚さ

 つまり、八潮市のトラック事故も彼らにとってはこの延長線上のことでしかないから、ネタとして消費することに疑問を抱かない。抱かない、というか、抱けないのです。なぜなら、それが軽率で不謹慎であるということすら想像できないほどに未成熟で幼稚だからです。  普通の24歳と27歳であれば、トラック事故を笑いのネタにしてはいけないことぐらい教わらなくてもわかるでしょう。けれども、中町兄妹は普通の24歳と27歳ではありません。ただ数字の都合で、便宜上24歳と27歳とされているだけであって、実態とはかけ離れている。  だから、逆に言えば、彼らを批判したり、その言動に憤ったりすることはお門違いなのですね。中町兄妹は、そのように批判される段階にまで至っていないのです。  肉体と、自由に使える財布、そしてあふれかえる承認欲求が肥大化した行動的な子供。それが中町兄妹なのです。

彼らのような人間を生み出したのは社会?

 それを加速させた燃料こそが、きちんと叱ってこなかった社会の年長者たちによるネグレクトなのだと思います。  それゆえに、問題は中町兄妹のみにとどまりません。彼らのチャンネルの登録者数が172万人もいて、多くの企業とコラボし、行政のイベントにまで呼ばれるほどの存在である現実を、どのように捉えたらいいのでしょうか?  ここでも、社会というインフラの底が抜けているのです。 文/石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4
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