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人気番組『SASUKE』、“現役最強選手”のもう一つの顔は銀行員「SASUKEファンの支店長が出場を後押ししてくれた」

一躍人気選手になるも、過去には出場さえできなかった時期が

いち視聴者としてSASUKEファンだった学生時代を経て、出場を意識したきっかけは、あるスター選手の存在だった。 「2013年の大会で、当時は前人未踏だったクレイジークリフハンガーというエリアを森本裕介さんがクリアしたんです。これを見て、『自分に近い世代の人が活躍しているんだ』と大きな刺激を受けたんです」 しかし、人気番組ゆえ応募を繰り返すも落選が続く。その期間は足掛け10年にも及んだが、決して諦めなかった。 「SASUKEが好きだという一心ですね。トレーニングの手を抜いていると、万が一合格できて出場した時に後悔することになるので、そうはならないべく鍛え続けていました」 SASUKE出場を目指すうえで大変なのは、出場が未確定の時点でもトレーニングし続けなければならないこと。宮岡氏も苦悩していた。 「目標が確定していないのは辛かったですね。出場できるのは次の大会かもしれないし、10年後かもしれないし、あるいは来ないかもしれない……。精神的に追い込まれましたね」 SASUKE出場は主に書類での審査で決められる。落選が続くなか、宮岡氏はトレーニングだけでなく応募する際のアピールについても工夫を凝らすようになった。 「トレーニングや他の競技での成績など、ほかの応募者と似たような書き方になると思ったので、違うことを書こうと思っていました。例えば、『20代で取得している人の少ない産業カウンセラーの資格を持ってます』とか、『銀行員として10年近くやってきました』など、別の視点からのアプローチです」

「SASUKEに出たい」意思を支店長が後押し

宮岡良丞氏

職場の前で撮った1枚。今では多くの人からエールを受けている

そうして念願の出場を手にした宮岡氏。しかし、会社員でもある彼は、務める銀行にも出場の許可を取らなければならない。出場が決まったあとにNGが出て辞退になることは避けたい。あらかじめ許可をとっていたのだという。 「一応、“おかたい”業種ではあるので、バラエティ番組に出ることを最初から全員が応援してくれるという状況ではありませんでしたね。ただ、当時私が配属されていた支店の支店長がSASUKEのファンで、許諾を得るための戦略を一緒に考えてくれました。SASUKEにうつつを抜かしているわけではなく、銀行員としても頑張っていることを見せるために『この資格をとって稟議しよう』と、筋道を立ててくれたんです」 理解者の協力を追い風に努力を重ね、さらには銀行の許可も得たうえで出場し、大健闘。その結果、愛媛銀行は宮岡氏に「特別表彰」を送った。 「行内では優秀賞などがあって、それは社内規定によって業績の数字などが定められています。頭取賞は、その規定とは別で銀行に貢献した人に送られているみたいです。喜んでもらえたことがわかって嬉しかったですね」
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銀行員と“SASUKE選手”を両立する生活を送る
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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