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「こんなに待たせやがって!」飲食店に響く“迷惑老人客”の怒号…女性店員が「カスハラ条例は意味がない」と嘆くワケ

カスハラ条例に効果はあるのか

迷惑老人 では、こうしたカスハラ客に対し、4月に施行された「東京都・カスタマーハラスメント防止条例」は効果はあるのだろうか。先述の居酒屋店主は「条例化はある程度効果があると思う」と話す。 「チェーン店は接客のマニュアルがあるから、条例に基づいて『カスハラにあたると判断したので対応はできません』『警察を呼びました』みたいな大義名分になると思う。さりげなくトイレにカスハラ条例のポスター貼ったりして、少しくらいは抑止になるんじゃないかな。『お客さまは神様です』なんて、店が客にへりくだりすぎたからあの手のバカが増長してきたわけで、面倒くさいヤツは話を聞くよりも警察呼んで追い出したほうが絶対に早い。ウチでもたまに『もう閉店ですよ〜』って言ってんのに、『もう一杯飲ませろや』って口きいて入ってくる人がいるけど、ウチはそういうヤツは全部追い出してるよ。それでもゴネたら警察呼ぶしかない」

ファーストフード店の従業員は「あまり変わらない」

 一方、ファーストフードで働く女性従業員は複雑な顔だ。 「毅然とした態度って、なかなか難しいですよね。いきなり『そんなこと対応できません!お帰りください!』なんて言えませんよ(苦笑)。ただ、条例化によって啓蒙することはできるので、少しは意味があるかもしれませんが……。基本的にはあまり意味がないと思っています。余程ひどい方は警察呼ぶのは施行前から変わっていないことなので……」  個人店とチェーン店で対応が分かれるカスハラ客対策。「東京都・カスタマーハラスメント防止条例」は、社会に対して今後どのような影響をもたらすのだろうか。 文/谷本ススム
グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター
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