更新日:2025年03月06日 19:57
ライフ

令和の今も残る絶滅危惧種「デパートの屋上遊園地」全6か所をめぐってみた。日本の“デパオク”文化は海外にも

伊予鉄高島屋「屋上遊園地/くるりん」(愛媛県松山市)

大観覧車「くるりん」

「伊予鉄高島屋」のシンボルである大観覧車「くるりん」。その足元に遊具が設置されている。伊予鉄道には観覧車の優待が受けられる切符も。坊ちゃん列車に乗車する際にはチェックして欲しい。(撮影後に遊具の配置などが変更されています)(写真:若杉優貴)

 伊予鉄道松山市駅の駅ビルにある百貨店「伊予鉄高島屋」。もともと1971年に「いよてつそごう」として開業し、2002年に現在の「伊予鉄高島屋」となった。現在の店舗は2001年に新築されたもので、レトロ屋上遊園地がある百貨店としては最も新しい建物である。  伊予鉄高島屋の屋上遊園地があるのは8階レストラン街の横で、大型遊具は少ないが、豆汽車や小さなメリーゴーラウンド、懐かしい動物の乗り物などが並ぶ。そして、1つ上の9階からは屋上観覧車「くるりん」に搭乗することができる。くるりんの直径は45m、最高点までの高さは85mで、松山市近郊の様々な場所から見ることができるほど大きい。  なお、屋上観覧車「くるりん」は伊予鉄道の一日乗車券などを購入すると割引価格で乗ることができる。松山市を訪れた際はくるりんに乗って、美しい松山城と瀬戸内海、そして観覧車の足元で活躍する屋上遊園地の遊具たちを眺めみて欲しい。

大立デパート「大立空中楽園」(台湾・高雄市前金区)

台湾「大立空中楽園」

「大立デパート」の屋上にある「大立空中楽園」。まさか台湾にこれほどの屋上遊園地があるとは…!大立は若者・ファミリー向けにリニューアルが進行中で、屋上にも家族連れの声が響いていた。ドンキが入居するだけあり、屋上も22時までの夜間営業を行っている。 写真:若杉優貴

 ここまで日本に残る6つのレトロ屋上遊園地を紹介してきたが、おとなり・台湾にも屋上遊園地が1か所だけ残っている。それが、台湾南部・高雄市の「大立百貨」(大立デパート)B館にある、その名も「大立空中楽園」だ。  大立空中楽園は今回紹介した屋上遊園地の中では最も規模が大きく、園内には「モノレール」や「金馬車(メリーゴーラウンド)」などといった大型遊具が5つ並び、週末には多くの子供や若者で賑わいを見せる。プチ絶叫マシン(?)の「クレイジーディスコ」や「海盗船」など一部の大型遊具は建物の外に飛び出すように設置されており、スリルも抜群だ。  台湾には日系百貨店や日本の百貨店をモデルとしたデパートが多く、かつては屋上遊園地もいくつかあったが、現在も営業を続けるのはこの大立空中楽園のみである。  高雄市中心部はデパート激戦地であり、大立の徒歩圏内には遠東百貨(大遠百)、新光三越、遠東そごう、漢神百貨(阪神と提携)といった多くの競合店が多い。大立の現店舗は1984年に開業、かつては伊勢丹と提携する高級百貨店だったが、2020年以降は直営売場を縮小し、「TSUTAYA(蔦屋書店)」「無印良品」「ドン・キホーテ」「セカンドストリート」などといった日系専門店を導入していることで、競合店との差別化を図っている。  大立はこうした専門店の出店によってファミリー層や若者の来店数が増加しているとされ、今後も「台湾唯一の屋上遊園地」は賑わいを見せ続けるだろう。  今回紹介したそれぞれの屋上遊園地は、改装・リニューアルなどによって遊具や乗り物、ゲーム筐体などが取材時と変わっている場合がある。  もし屋上遊園地にお目当ての乗り物やゲームがある場合は、事前に稼働状況をチェックして訪問することは付け加えておきたい。 取材・文/若杉優貴(都市商業研究所)
都市商業研究所』。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitter:@toshouken
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