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ハワイより近くて安い「中国のドバイ」と呼ばれる海南島に直行便で上陸。中国式“機内サービス”の驚きの充実度

世界で評価を受ける海南航空

飛行機は順調に飛行中

中国系エアラインのサービス評価には厳しい声が多い。しかし、海南航空の場合、世界的な航空サービス評価会社「スカイトラックス(SKYTRAX)」の5つ星評価を初めて取得した中国本土の航空会社である。 筆者はコロナ禍前の2018年に、世界的なイギリスのファンボロー航空ショー会場で、このスカイトラックスの表彰式を取材したことがある。海南航空は世界TOP100エアラインの堂々8位にランクインしていた。この時のANAは3位でJALは13位だった。記念撮影に写る男女客室乗務員の姿は堂々としていて好ましかった。

予想外の手厚いサービス

手荷物収納棚の宣伝

機内の様子は日系エアラインとは違った。頭上の手荷物収納棚の扉部分に大きな広告シールが何枚も貼られている点だ。よく見ると、ECサイトの宣伝広告だった。海外のLCCでは見かけることはあるが、日系ではない。これも、新しい発見だと思った。 機内サービスは想像以上に良かった。機内食は、ボックスミールと別に肉か魚の2種類から選ぶ温かいメインディッシュが付いていた。ボックスの中にはエビの入ったサラダ、ミニたい焼き、パン1個とバターが入っており、清潔で豪華に見えることは間違いない。これも中国風のおもてなしの一部かもしれないと思うと、興味深く感じた。実際に食べてみるととても美味しかった。 ミールの入る箱の内側に中国語で「旅行における炭素削減:あなたと私には責任がある」と書かれており、機内食を事前にキャンセルすると600ポイントが獲得できると表示されていた。機内食の搭載量が減れば航空機の燃料も減らせるという環境問題を提起している点は好ましい。 また、多くの客室乗務員は気持ちの良い笑顔で対応していた。一昔前にはあまり見られなかった状況だ。 海南航空の顧客サービス面では、予想以上の対応の良さに感心した。特に素晴らしい対応として目にしたのは、降機時に客室乗務員が荷物の多い母親をサポートし、赤ん坊を抱えたまま機外に出てタラップを降りて行き、バスに乗るまで付き添っていたことだ。このような心遣いは、どのエアラインでも見られるわけではなく、印象的だった。

成田発初便の機内食です

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コストパフォーマンスの高さ
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航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「Avian Wing」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。Facebook avian.wing instagram@kitajimaavianwing

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