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全国380軒のラブホテルを巡った女性写真家が教える「一生に一度は行くべきラブホテル10選」

SNS映えを意識した部屋が光るホテル

——関西もラブホテルが密集しているエリアと思います。そのなかでも、おすすめポイントの高いところを教えてください。 那部:1つめが、京都府の「ホテルクロノス」。「シャルマン」というホテルから生まれ変わって誕生したホテルです。アメ車にメリーゴーランド、ハワイアンに花魁。昭和とSNS映えを意識した令和の感覚をハイブリッドしたようなホテルだと思います。部屋の種類がいろいろあって悩みますが、私が宿泊に選んだのは樽風呂の部屋。
ホテルクロノス

京都府の「ホテルクロノス」

こんな風呂は、なかなかよそではお目にかかれないでしょう。 2つめは、大阪府の「ホテル富貴」。昭和ラブホテルの典型を超越した内装です。昭和のホテルは自由度の高さが魅力だと感じておりますが、「富貴」さんは思わぬ場所に丸窓があったりなど細部まで凝っています。日本のどこを探しても、ここにしかないオリジナリティ性が強いホテルです。内装だけでなく、部屋にいくまでの共用部、廊下や階段も目を見張ります。 3つめは、奈良県の「ホテルアイネ五條」。「ラブホテル界のウォールト・ディズニー」といわれる亜美伊新(あみいしん)さんがデザインした内装が光ります。「非日常」を徹底的に極めた部屋で、異次元の煌びやかさを追及したい方は是非。

人生の最期に訪れたいホテル

——最後に、関西以西のホテルをピックアップお願いします。 那部:中国地方だと、広島県の「ホテル夢の国」。「夢の国」というと舞浜が思い浮かびますが、私にとっては広島です。お部屋をアトラクションと捉えるならば、昭和の自由な発想から生まれた一種のテーマパークのようなホテルです。ある部屋では、謎の円型カプセルからウォータースライダー兼浴室を覗くことができます。そのほか、殿様部屋、馬車、貝のお部屋、藤の間、宇宙。お姫様ルームなどなど、凝った嗜好の方にもお勧め。新しいアトラクションも増えている点でも、ホントに夢の国なのかも。JR大野浦駅から徒歩圏内なので、車がない人も訪れることができます。 最後に、九州のホテル2か所を挙げます。福岡県の「ホテルR」は、全室異なる内装で、昭和の豪華さなのに、綺麗でサービスも充実。ホスピタリティも高く、宿泊するにも不安がありません。
ホテルR

福岡県の「ホテルR」

昭和ホテルの理想的な姿で、どんな人にもおすすめです。全部屋制覇したいくらいですね。 そして、佐賀県の「ホテルエレガンス」。「一番好きなホテルは?」と聞かれると迷いますが、「死ぬ間際に最後に訪れたい部屋はどこか?」と聞かれると、ここを選びます。超希少な、せりあがり回転ベッドを保有するホテルです。部屋はメゾネットタイプになっており、豪華な構造。上昇スイッチを押すと、「ぐわん!」と音がして、ゆっくり回転しながら上昇。特別な一夜を過ごしたければ、おすすめです。
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従業員が突然部屋に入ってきたことも
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ライター、写真家、ボードゲームクリエイター。ちょっとユニークな職業人生を送る人々が目下の関心領域。そのほか、歴史、アート、健康、仕事術、トラベルなど興味の対象は幅広く、記事として書く分野は多岐にわたる。Instagram:@happysuzuki

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