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西友を買収したスーパー「トライアル」に、スーパーの専門家が行ってみて気づいたこと「西友の“弱点”を補えるかも」

西友とトライアルは良いシナジーを生みだせるのか?

これだけを聞くと、今後は「無人スーパー路線?」「人のぬくもりなんて感じないのでは?」と思ってしまいそうですが、実際に店舗に行ってみると、昔ながらのPOPをたくさん発見することができ、手作り感あふれるお惣菜や寿司にほっこりさせられます。シンプルな陳列スタイルなど、店内の雰囲気が西友と似ている部分も大いにあります。 一方西友はというと、1980年に「無印良品」を作り出した生みの親。つまりPB開発の先駆者でもあり、無印の功績を持ちながら、2012年にプライベートブランド「みなさまのお墨付き」が登場しました。そして最近のPB商品を見ても、その実力は健在。品質面でお世辞抜きに素晴らしく、チルド商品、菓子類、エスニック関連商品では強い魅力を持っていることが分かります。しかし、他スーパーではなかなか真似できないようなこだわりある商品を生み出せるにもかかわらず、それを伝えるのが上手ではなかったのかもしれません。アピールが控えめであり、まだまだ知られていない隠れた名品であふれているのです。 これらのことをふまえてわかりやすく整理をすると、モノづくりが上手で関東・中部に多く展開するアピール下手の西友が、ITを駆使した“新しい売り方”に強みを持つトライアルと組むことは、成功の可能性が大いに高いということ。あくまでも予想にはなりますが、両社の強みをうまく組み合わせることができれば、両者は勝ち組として成長を続けることができるのではないでしょうか。

筆者おすすめのオリジナル商品7選

ここからは、トライアルのオリジナル商品の中で特に素晴らしいアイテムを、数重視でずらりと紹介していくことにしましょう! ①B級さつま盛り合せ:100gあたり80円
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B級さつま盛り合せ:100gあたり80円

九州の強みを感じるのが、カタチの悪いが味はバツグンなさつま揚げのB級品を寄せ集めた商品。1パックあたり200~300円台という超お得感を満喫できます。これさえあればつまみはOKと思えるほどのおいしさです。 ②国産豚を使ったフランクシリーズ:349円
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国産豚を使ったフランクシリーズ:349円

スーパーのPB商品をいろいろ食べてきた中で、群を抜いておいしいと断言できる名品。2種類の国産豚ひき肉を100%使用した、肉の旨味が味わえるフランクで、種類は4種(プレーン、レッドチェダーチーズ、ブラックペッパー、レモン&パセリ)。肉の解体から製造までを一貫して行うことでコストダウンに成功しています。 ③お肉屋さんの焼鳥シリーズ:699円
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お肉屋さんの焼鳥シリーズ:699円

大ぶりの鶏肉を炭火で焼いた冷凍焼鳥。1本あたり約70円で、食べたいときに温められる手軽さが強みになっています。これとタレを常備しておけば、コンビニで焼き鳥を買う頻度が激減するかもしれません。 ④プルコギ:100gあたり159円
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プルコギ:100gあたり159円

牛肉と豚肉を組み合わせるという、ありそうでなかったアイデアがおいしさにつながっている商品。本当においしいプルコギを目指して開発されたという本気度の高さが実感できます。この商品専用のカット野菜も販売されていて、組み合わせて焼くだけでプロの味が完成。
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食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。世界中の健やかな食文化を追求。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。Twitterは@sugiakatsuki12

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