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デヴィッド・ボウイ、その死から約10年。死してなお人を惹きつける魅力とは

病魔に蝕まれる中での復活

最終作『★(ブラックスター)』

デヴィッド・ボウイ最後の作品『★(ブラックスター)』

 2013年1月8日、デヴィッド・ボウイ、66歳の誕生日。突然、世界119か国のiTunesストアで、新曲「ホエア・アー・ウィー・ナウ?」が発表された。また、同年3月8日には、新たなアルバム『ザ・ネクスト・デイ』が発表されることも明かされた。かくして、デヴィッド・ボウイは突然の復活を果たしたのである。  その後のボウイは、ブロードウェイミュージカル『LAZARUS』の制作準備に取り掛かるなど、精力的に活動しているように見えた。2016年1月8日、69歳の誕生日には、新たなアルバム『★(ブラックスター)』を発表するなど、勢いは留まるところを知らないかと思われた。  しかし、その裏でボウイは自らの余命が幾ばくも無いことを知っていた。進行性の肝臓がん。病のことを知っていたのは、彼の周囲のごく僅かな人間だけだった。2016年1月10日、69歳を迎えた誕生日から2日後、ボウイはその生涯に幕を閉じた。

デヴィッド・ボウイ亡き後の「デヴィッド・ボウイ」

デヴィッド・ボウイは私たちの中に生きている

デヴィッド・ボウイは私たちの中に生きている

 大雑把ではあるものの、こうしてデヴィッド・ボウイの生涯を振り返ってみると、彼が決して枠にとらわれることのなかった、変幻自在のアーティストだったことがわかる。ボウイは、常に新しい可能性を模索して、新たな表現を切り拓いてきた。  死してなおボウイが注目され続ける理由。それは、こうした彼の貪欲さと、先見の明によるのではないだろうか。ニューウェーブであれ、インターネットであれ、時代を嗅ぎ分ける確実な嗅覚をボウイは備えていた。だからこそ、彼の作品は常に時代を先取りしていたのだろう。  彼の作品は今後も再解釈を重ねて、人々に受容されるだろう。そのたびに彼の先見性が注目されることを願う。ボウイ亡き後の「ボウイ」は、聴き手の中にある。  ひとまずは、2025年5月公演のミュージカル『LAZARUS』で、主演の松岡充の身体を借りて、再び“来日”するデヴィッド・ボウイに期待したい。 参考文献 野中モモ『デヴィッド・ボウイ : 変幻するカルト・スター 』(ちくま新書、2017年) 吉村栄一『評伝デヴィッド・ボウイ―日本に降り立った異星人』(ディスクユニオン、2017年) 〈文/礼門猿取〉
現役大学生ライター。読みは、れいもん・さるとる
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