ライフ

自称「変態文学大学生」を直撃。なぜ“性愛”と“文学”に傾倒したのか…「大学に残り続ける道」を選んだ理由を聞いた

「Fantia」の変わった使い方とは

吉行ゆきの

フェチ服専門店「FYP」のラバーモデルを務めた

――差し出がましいことですが、生活費などはどうしているのでしょうか。 吉行ゆきの:ありがたいことに実家ぐらしで、“子ども部屋学生”なので何とかなっています(笑)。19歳ごろまではポールダンサーとして活動して収入を得ていたんですが、それ以降は、SNS経由での収入などがあるためアルバイトをせずに研究ができています。博士課程以降は研究奨励金も出るため、幅広い研究ができますしね。「Fantia」という有名な会員制のサブスクサイトがありますが、私の場合、自分の写真ではなく“艶っぽい話”を載せて収益を得ています。変わった使い方だとよく言われます(笑)。 ――社会に出ないで大学に残り続ける道を選んだのは、“やりたいこと”を突き詰めるためというわけですね。 吉行ゆきの:そうですね。それに加えて、「大学を卒業したらすぐに就職!」という雰囲気が“出荷”されていくように感じてしまって(笑)。学生時代って、意外と短いなと思ったんです。4年間あると言うけれど、実際には3年生で就職活動、もっと前から準備に入りますよね。純粋に自分がやりたいことに向き合う時間は考えているよりもずっと少ない。そして、すぐに社会に貢献しなければならないというのがしんどくなってしまって。北海道大学は非常に牧歌的で良い大学だと私は思っていますが、大学全体が就職予備校と化してきている実情は確実にあると考えています。

自分をインフルエンサーだと思っていない

吉行ゆきの

取材した大阪のピンク映画館の前で

――将来的な野望があれば教えてください。 吉行ゆきの:私は自分をインフルエンサーだと思っていないんです。流行を作るというよりは、自分が作っているサイトを大きくしたいと思っています。現在、「実践×文学」というサイトを立ち上げていて、著者へのインタビューなども掲載していけたらなと思っています。当然、著作権などにも配慮した、“健全で卑猥な”運営を心がけています。  そこにたどり着くまでには、試行錯誤がありました。たとえば日本の緊縛などの文化をロシアに輸出したいと考え、大学時代に留学を経験しました。もちろんロシアにも性愛への関心はあるものの、宗教的な理由などで受け入れられるのが難しそうで、断念しました。  将来的には、艶のある活字や漫画をベースとするコンテンツを紹介したり、そこから派生したものを生み出して生活ができるようになればいいなと考えております。 =====  道徳的で健全な精神と文学は相容れない。背徳を楽しむのが“変態文学”の醍醐味と言えよう。現役の研究者である吉行さんの奇抜な好奇心が、文学シーンも研究シーンも真新しいものに塗り替える日が来るかもしれない。 <取材・文/黒島暁生>
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
1
2
【各種SNS・ブログ】 X:@yoshiyukiyukino X(別アカウント):@sakekakutoku Instagram:onitannbi ブログ:実践×文学
【関連キーワードから記事を探す】