ヒカル×入江巨之「視聴者ファースト」で上場を諦めた真相。“1週間に10億円”売り上げる男が語る革新的経営
20社を超える事業を展開。海外展開にも挑む
水野:すごい。口コミ評価も軒並み高いんですね。
入江:あまり知られていない話ですけど、日本のポーカー業界も今、僕が切り開いているところです。「ワールドポーカーツアー」(WPT)という、世界三大ポーカー大会の一つを2024年12月に日本で開催しました。
水野:知らなかったです。しかしなぜ、ポーカーなのでしょうか?
入江:今後おそらくはカジノ建設が国内でも進んで行くと思うのですが、まずハードウェアは大手企業が押さえることになるため、入り込む余地がありません。しかし、ソフトウェアであれば、ベンチャー企業でも参入の余地がある。そこで数億円規模の投資を行っておけば、何らかの事業につながるだというという見込みからです。将来の展開に向けた布石を打っているところなんです。
ビジネス展開と同時にDJや音楽活動にも全力投球
水野:あのエンディングの歌を聞いたとき、すごくいい曲だなって思ったんですよ。そうしたらヒカルさんの動画で入江さんが歌っていてビックリしました。
入江:2024年12月には代々木第二体育館でライブを開催しました。今年の6月は幕張で「World DJ Festival JAPAN 2025」を開催します。今後も音楽活動は本気で取り組んでいきたいですね。
水野:幕張にはぜひ私も行かせてください。そう言えば、なんでも入江さんは猫を飼っていて、お酒もそんなに飲まないと聞いています。
入江:昔はたくさん飲んでいましたが、今は仕事に熱中するためにかなり控えてますね。夜はなるべく早く帰って猫と遊んでいます。夜はキャバ嬢と遊ぶより、3匹の猫ちゃんと遊んでいるほうが断然楽しいんです。

水野:最後に会社としての経営理念(MVV)や、今後の大きな目標についてもお聞かせください。
入江:僕のミッションは「企業と個人の可能性を最大化し、業界の常識を超えて日本の未来を創造する」こと。大企業と個人の間は絶対的な隔たりがありましたが、今は個人がSNSで大企業を動かすような時代ですよね。 僕たちはその“仲介役”のような立ち位置を担いたい。
ビジョンとしては「日本でナンバーワンのマーケティング・エンターテイメント・カンパニーを作る」です。バリューは以下の3つです。
①スピード(Speed):時代の変化の先を行くスピード感
②創造性(Creativity):既成概念にとらわれず、『新たな価値』を創り続ける
③成超(Growth):能力向上と効率化でROIを高める
現状維持はマイナスだと考えていて、これは社内にも強く言い聞かせていますが、PDCAをしっかり回し続けます。その結果は視聴者やユーザーが判断してくれると思っています。
水野:今後の目標は?
入江:ここ数年の目標は「売り上げ1000億円」です。1社で1000億円はかなり難しいので、トータルで売上1000億円の規模を目指しています。正直、かなり難しい数字だとは思いますが、だからこそ大きく動かなくてはならないと思っています。
水野:非上場で1000億円ということですね。「やらなくちゃいけない」というのはおっしゃる通りですけど、「日本でそういう規模のベンチャー企業がもっと生まれてこないと」という思いもあるのでしょうか?
入江:僕も常々、イーロン・マスクみたいに組織を壊してでも戦える人が出てきてほしいと思っています。国際的な資本を持ったプレイヤーがどんどん攻めてきているのに、日本国内ばかりで争っているのは、たとえるなら「スラムダンク」で全国制覇を目指しているのに部内で殴り合いをしているようなものに見えるんです。
水野:今の“非上場で1000億円”という話に関連して、「上場を目指すのを辞めます」という動画も先日アップされましたね。
入江:簡単に言うと、YouTubeをやっていく身として、自分たちで自分たちの発言に規制をかける環境に行くのはリスクだと思ってやめたんです。視聴者も、僕たちが上場することを本当に望んでいるかといえば、そうではないと思うんです。視聴者ファーストだけを考えたとき、僕たち個人のメリットはあっても、視聴者にとって僕たちが上場するメリットはあまりないですよね。
要するに、視聴者のメリットを最大化するために上場しない選択をしたんです。単純に、もし上場したら僕たちは大金持ちになれる可能性はありますけど、視聴者が得るメリットは正直ゼロに近い。だったら、視聴者と一緒に未来を作るほうを選んだほうがいいという話なんです。
水野:なるほど。IPOして資産を増やすよりも、今応援してくれている人たちとの未来を大事にしたい、ということですね。
入江:そうですね。お金を持つだけより、視聴者と一緒に未来を作るほうが、結果として視聴者ファーストにつながる。僕たちを応援してくれているのは、今まさに見てくれている視聴者ですから。
彼らに対して何が最適なのかを考えたら、「上場しないほうが僕たち自身の未来にとってもベストなんじゃないか」という話を実際にヒカルさんとしました。YouTubeで自由に動けなくなるよりは、今のまま視聴者と面白い未来を作るほうが絶対いいと思ったんです。
水野:最後に、改めて経営者としての信念を聞かせてください。
入江:“競わない経営”を心がけています。他者との競争ではなく、自分たちのビジョンの実現に向かって進んでいく。それが長期的な成功につながると信じています。
今後もYouTubeというメディアを最大限に活用しながら、今取り組んでいるビジネスも大胆に展開していく。その両輪で、これからも常に新しい価値を生み出し続けていきたいと考えています。
「インタビュー後の感想」(水野)
会う前は「YouTube界の秋元康氏」みたいな人物かと思っていたが、実際は業界人というよりはビジネスマインドを持ったマーケッターという印象。ただ発言から「日本を変えよう」という強い想いが伝わってきて、まるで維新の志士と話しているようにこちらも感化されていった。この人間力も多くの人を巻き込んで世の中を動かしている原動力なのかもしれない。
【プロフィール】入江巨之
1985年生まれ。株式会社サムライパートナーズ代表取締役CEO。YouTuberヒカル氏とパートナーを組み、アパレル・コスメブランド「ReZARD」のほか、数々のビジネスを成功に導く。D2Cモデルをはじめ、YouTube番組制作、ホテル開発も手がける。DJ I-RIEとして、ノンタイトルのエンディング曲『beautiful life』をリリース
<取材・文・構成/水野俊哉・高橋真以・掛端 玲>
1973年生まれ。作家、出版プロデューサー、経営コンサルタント、富裕層専門コンサルタント。ベンチャー起業家、経営コンサルタントとして数多くのベンチャー企業経営に関わりながら、世界中の成功本やビジネス書を読破。近年は富裕層の思考法やライフスタイル、成功法則を広めるべく執筆活動をしている。現在は自ら立ち上げた出版社2社や文化人タレントプロダクション、飲食業のオーナー業の傍ら、執筆やコンサルティング、出版プロデュース業を営んでいる。国内外問わず富裕層の実態に詳しく、富裕層を相手に単にビジネスにとどまらない、個人の真に豊かな人生をみすえたコンサルティング・プロデュースには定評がある。 著書はシリーズ10万部突破のベストセラーとなった『成功本50冊「勝ち抜け」案内』(光文社)など27冊、累計40万部を突破。最新刊に『成功する人は、なぜリッツ・カールトンで打ち合わせするのか?~あなたを超一流にする40の絶対ルール~』(サンライズパブリッシング)がある。
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