「相互関税導入」がアメリカ国民の首を絞める?日本は“またトラ”にどう向き合う?「高校チュータイ」外交官が「アメリカの今」を徹底解説
「関税攻撃」が逆にアメリカ国民の首を絞める可能性も!?
しかし、これには一定程度の効果はある。アメリカは人口も多く、経済的にも発展している国なので、モノを売る市場としては魅力的である。そのため、今までのようにアメリカにモノを輸出できなくなるととても困るわけだ。
「とはいっても、むやみやたらに関税を引き上げることが、本当にアメリカ国民のためになるのか、わたしには疑問です。
そもそも、関税とは誰が支払うのでしょう。関税を支払うのは「輸入する人」です。つまり、仮にメキシコからの輸入品に10%の関税をかけた場合、10%の関税を支払うのはメキシコ側ではなく、輸入するアメリカの会社です。そして余計にかかった分は、商品の値段に上乗せされます。
つまり、関税が上がって最終的に困るのは、商品を買う消費者、アメリカ国民です。
アメリカ国民が困っているのは物価高です。モノの値段が高く、生活に困っているのです。そうすると、モノの値段がさらに上がってしまうと余計困るのではないでしょうか。
実際、このまま関税を引き上げた場合、物価高がより進み、アメリカのGDP(国内総生産)が減少してしまうという予測も多く出ています。
果たして、相互関税などのトランプ大統領の関税攻撃が、アメリカ国民にどのような影響をもたらすのかは、冷静に見ていく必要がありそうです」
日本はトランプ、そしてアメリカとどう対峙するか?
そんなトランプが率いるアメリカと、日本はどのような関係を築けばいいのだろうか?日本にとってアメリカはいちばん大事な国。アメリカにとっても、日本はとても大事な国で、日米同盟は最も重要な同盟のひとつです。なので、基本的には誰が大統領になっても日本との関係に大きな影響はありません。
ただ、それがずっと続くとは限らないと、島根氏は警鐘を鳴らします。
「トランプ大統領は『日米同盟はアメリカの負担が多すぎる、日本ももっといろいろと負担するべきだ』と発言したこともあります。
日本として大切なことは、アメリカとの同盟を大事にしつつ、アメリカに頼りきりになるのではなく、日本としてもしっかりやるべきことはやる、ということです」
仮にアメリカ軍が日本からいなくなってしまったら、自分たちだけで日本を守らなくてはならなくなる。しかし、一人当たり国防費が5万円の日本が、自分の力だけで日本を守ることが、本当に可能だろうか。そこには単純に首を縦に振れないほどの疑問が残る。
そんな日本に対して、最後に島根氏は以下のように提言してくれた。
「大事なことは、アメリカとしっかり手を組んで、日本も自分の役割をしっかり果たしていくということです。
わたしたちの生活を守るためにも、アメリカとの関係はとても大事なのです」
文/島根玲子 構成/日刊SPA!編集部
1984年埼玉県生まれ。高校時代に2度の留年と2度の中退を経験。一念発起して大検を取得後、青山学院大学文学部に進学。早稲田大学法科大学院を経て、2010年に司法試験および国家公務員Ⅰ種試験に合格。2011年に外務省入省後、スペイン駐在を経て、中南米外交やアジア外交に携わる。外交官として働く傍ら、国際情勢やキャリア設計についての講演活動も行う。著書に『高校チュータイ外交官のイチからわかる! 国際情勢』がある。
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